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「動員だけがハイレベル」J2第10節 東京ヴェルディ-FC東京(0-0)

実に28000人ものサポーターが詰めかけ、素晴らしい雰囲気の中で行われた東京ダービーだったが、肝心なサッカーの内容は、環境とは正反対の実に寂しいものだった。
FC東京は、平山と米本が長期離脱のために、2トップが高松とセザーの4-4-2という形で臨んだのだが、中盤との連携が全く取れておらずに前線で全くボールが収まらず、かと言って梶山のところからサイドチェンジやスルーパスが出るというわけでもなく、たまにSBのオーバーラップからクロスを上げたり鈴木の飛び出しからチャンスらしきものを作るだけの、溜めのない単調な攻撃に終始してしまっていた。
さらにFC東京は後半9分にセザーが2枚目のイエローで退場して絶体絶命の危機に陥るのだが、そこから何故かボールを持った選手の周りが動いてパスコースを作るという、基本に忠実なサッカーが出来るようになり、交代で出た選手も、矢澤やペドロ・ジュニオール、中村北斗など、J2であればスタメンで出るのが当然のような贅沢さで、これだけの陣容を持っていながら11人であんなサッカーしか出来ないのが本当に不思議だった。
ヴェルディについては、FC東京に比べるとまだ攻撃に緩急があったが、J2でも発揮されている大熊サッカー(笑)を崩せるほどの能力はさすがに持っておらず、たまに河野の個人技や平繁の飛び出しからチャンスはあったが、どれも単発に終わってしまい、最後の方は運動量が落ちて1人多かった状態でも全く攻められなくなってしまって終戦。
現在、J1は昇格組の仙台と柏が1位2位を占めている状態になっているが、まあさすがにそれは一時的だとしても、ここ数年の昇格組の活躍を見るとJ2のレベルは飛躍的に上がっていると見るべきである。そう考えると、両チームの見せているサッカーでは今後が厳しいのは明らかで、どこで「ウチはこうやって点を取るんだ」というスタイルを固められるかがポイントになりそうだ。

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