「Jリーグチームの長所と短所」ACLグループH 水原三星-鹿島アントラーズ(1-1)

まあ一言で言えば、良くも悪くもJリーグチームがアジアで見せる展開的な試合内容だったのかなと。
試合の序盤は、水原の激しいプレッシャーの前に鹿島はほとんどまともにボールを繋げられず、ボール際での競り合いにフィジカルで負けては、強引なドリブル突破を止められずにズルズルと下がってしまい、やっとこさ跳ね返してもセカンドボールを拾われるという、典型的な悪循環パターン。
しかし、それでも何とか30分を無失点でしのぐと徐々に相手のプレススピードが弱まり、そこから小笠原を中心とした中盤からの縦パスが前線へと渡るようになり、小気味良いタッチ数の少ないパス回しで前線へと攻撃参加する選手にパスがつながって決定機を作るものの、興梠やフェリペ・ガブリエルのシュートは枠を捉えられず。
そして後半も鹿島のペースは続いていたんだけど、67分にロングスローからスコッと高さでやられるものの、すぐ後にCKから岩政が頭で流したボールを中田浩が決めて鹿島が同点に。そこからは水原がパワープレイ気味の強引な攻撃で押しこむが、鹿島も本山を投入してリズムを奪い返し、しかし最後まで得点は動かずにドローで終了。
鹿島は前半終わりごろの何度かあった決定機を決めていれば、という試合ではあった。その意味では、依然としてマルキーニョスの抜けた後の穴が埋まっておらず、特に大迫の部分でしっかりとボールが収まらないのが好調時のサッカーが出来ない一因になっているように思う。
まだ二十歳の若者に全てを背負わせるのは酷なのは確かだが、このままではJでは良くても世界レベルでは抜けきれない前田のコースを歩むことになるのではと危惧してしまう。ラウルのような異常な得点感覚があれば別だが、そうでないのならアジア程度なら楽にこなせるフィジカルを身につける努力をしないと、いつかはまた外国人にポジションを奪われることになってしまうだろう。
とりあえず、これで鹿島は2試合で勝ち点2で、グループ1位で勝ち点5の水原以外は横並びの状態になった。水原も、他のグループの中韓チームとは違って強力な外国人FWがいないので、鹿島にもまだ1位抜けのチャンスは残っているように思う。震災の影響で前半3戦が全てアウェイなので、そこで勝ち点3が取れれば巻き返し出来そうだ。