「岡崎のプレイからは頑張りをもらう」ドイツ・ブンデスリーガ第26節 ザンクトパウリ-シュツットガルト(1-2)

ブンデスリーガの残留争いで勝ち点3差にあるザンクトパウリとシュツットガルトの直接対決裏天王山。
試合の序盤は、攻勢に出て来るザンクトパウリに対して、シュツットガルトは岡崎を経由して鋭いカウンターを何度か見せたが、徐々に動きの勢いが落ち始めると、元ドイツ代表のアサモアを基点として高い位置でタキが絡む形が機能するザンクトパウリに比べ、シュツットガルトの1トップを務めるポグレブニャクは身長の割にハイボールに強く無く、ポストプレイも不安定でボールを落ち着かせることが出来ない。
シュツットガルトは守備面でもあまり機能しているとは言いがたく、DFラインは一応上げ下げのメリハリはつけているのだが、相手がボールを持つとCBが早く下がり過ぎてしまい、バイタルエリアへと簡単に入り込まれるパターンが多く、19分の失点も、ラインを上げたところでボールを奪われ、2列目から飛び込んだ選手をマークしきれずに決められたものであった。
しかしシュツットガルトもすぐに反撃し、左サイドを抜けだした岡崎によるシュートは残念ながらGKに阻まれたが、24分にCKからのサインプレーでクズマノヴィッチが素晴らしいコースにミドルシュートを決め、シュツットガルトは前半のうちに何とかイーブンへと持ち込む。
後半になると試合のペースは完全にザンクトパウリのものになり、シュツットガルトはかろうじてラインコントロールだけでピンチを防いでいるような始末で、岡崎はチームの指示なのか本人の疲れなのかは不明だが、あまり上下動せずに左サイドで張ったままのポジションにいる形が多く、試合の流れから消えている時間帯が目立つようになり、結局83分で交代。
それで何とか耐えているうちにザンクトパウリにも攻め疲れが見え始め、これはこのままドローかと思われた88分に、岡崎と交代で入ったシップロックがGKからのロングボールをうまく拾ってゴールを決め、シュツットガルトが降格圏を脱出する勝ち点3を手にした。が、17位のヴォルフスブルク(!)とは勝ち点2の差しかなく、苦しい戦いはまだまだ続く。
岡崎は後半に息切れして交代選手が決勝点を決めたという点では残念ではあったが、前半は間延びしたシュツットガルトのチーム状態の中で、タッチラインの近くでタックルをしたかと思うと、次の瞬間にはDFラインの裏へ飛び出していて、サイドに選手が3人いるんじゃないかというぐらいの奮闘ぶりで、宮市とは違った意味で元気をもらえたような気がした。
今節はヴォルフスブルクこそ負けてしまったが、槙野のケルン、内田のシャルケ共に勝利を飾っている。是非今季は日本人選手全員に残留を果たしてもらって、日本に明るいニュースを提供してもらいたいものである。