「今年のガンバはひと味違う」ACLグループE ガンバ大阪-メルボルン・ビクトリー(5-1)

今日からJリーグ開幕なので、今のうちに急いでガンバのACL初戦を見ておく。
5-1と圧倒的な結果にj終わり、メルボルンが酷いという意見がもっぱらの試合だったが、実はガンバが強かっただけなんじゃないかと思った。
Jリーグのチームと対戦する場合、きっちりとコンパクトなゾーンを引いてボールに激しくプレッシャーをかけると、日本ではほとんど経験できない強い当たりにボールロストを頻発し、それにビビってバックパスの連発になり、どんどんボールの出しどころが無くなるスパイラルに落としこむのが常套手段で、この前の名古屋はまんまとそのパターンに入り込んでしまったわけだが、ガンバはそうは行かなかった。
まず遠藤を中心としたパスワークは、メルボルンのゾーンを物ともせずに中盤でスパスパとパスを通してくるし、昨年は不調のまま終わったイ・グノが今年は非常に好調のようで、同じくスピードのあるアドリアーノとの2トップが、メルボルンのサイドを面白いように切り裂きまくり、それが結果的にメルボルンのDFラインを下げさせるという負のスパイラルに陥らせてしまっていた。
ガンバの守備もよくオージーチームを研究しており、彼らはだいたいトップにクサビを当てて中盤でボールを持ったら、逆サイドが上がってそこにサイドチェンジを仕掛け、中でクロスに合わせるというのがパターンなのだが、ガンバは逆サイドのSBが中に絞って高い位置取りをし、サイドチェンジのパスをカットする狙いが良く機能してメルボルンの速い攻撃を封じ込めていた。
もっとも、ガンバの方も3点を早々に取ってしまったので前半にPKで1点返された後はすっかりペースが落ちてしまい、チームに合流して間もない遠藤が、彼だからこそ許される(笑)手抜きプレイであまり相手のボールの出しどころにプレッシャーがかけられなくなり、ガンバのDFラインも下がってしまって危ない場面を何度も作られ、もしそこで1点差になっていれば試合は分からなくなっていたかもしれない。
後半は、ハーフタイムで気持ちを入れなおしたのか再びガンバペースに戻り、二川が4点目を入れたところで試合はほぼ決まり。最後はキムスンヨンにもゴールをプレゼントしての大勝に終わった。
ガンバは今日、大阪ダービーで開幕を迎えるが、中盤のパスワークに2トップのスピードが加わった今季はJ1でも抜きん出た攻撃力を備えていることは間違いなく、セレッソも相当気合を入れていかないとこのガンバに太刀打ちするのは難しいかもしれない。
あと、ガンバで面白いと思ったのは左SBで途中出場した大体大出身のルーキー藤春選手。スピードと細かい足技、そしてビルドアップ能力を合わせ持っており、まだ守備には拙い面が多いようではあるが、本格的なブラジル的ラテラウが出てきたんじゃないかという期待を抱かせる。是非、これからに注目したい選手である。