AC長野パルセイロ、松本山雅の行く末は?

昨日は早朝から東京まで出張に行っておりまして、帰宅したのは深夜。なので、当然ながらサッカーのサの字にも触れている暇はありませんでした。
これが泊まりにでもなれば、かつての知り合いやサッカー関係の仲間と交友を交わす機会を持てるのでしょうが、この不景気で会社の財布はきつくなるばかりで、そういう機会は今や完全に望み薄です・・・そういう過度な効率化が、現代の日本人から人間らしさを奪って行くような気がしますなあ・・・という愚痴はさておき。
そういうネタが無い時に限ってタイミングよくお便りが来るもので、一度引退宣言をされたびりけんさんからの文をご紹介。

来月JFLが開幕します。
松本山雅は、既報の通り昇格待ったなし、これでコケたらどうするんだろという陣容で開幕を迎えます。
長野パルセイロは、残留争いのライバルになりそうなJFL中下位の主力を引き抜く、合理的ながら恨みを買いそうな補強でまずは地固めを図ります。
しかしパルセイロに対する長野市民の反応はとても静かです。このチームにはシニカルな見方をしている私でさえ正直もうちょっと盛り上がるかと思ってた。大手スポンサーに逃げられ、松本には先を越され、解散の危機すら漂わせた末のJFL昇格はドラマチックだと思ったのですが。
職場でパルセイロの話になること、街にもサッカーを感じさせるものは皆無。できるのは用途すらあいまいな商業施設ばかり。いつからこんな変な街に成り下がったのか。
長野市近隣にはJ規格のスタジアムがありません。JFL規格のそれすらなく、改修しているところです。市の体育課の「スタは無理」という記事が載ってすぐに市長が財政的には可能と発言する等行政間でも足並みが揃ってません。
長野市は冬期五輪の負債でがんじがらめ。それでも地元ゼネコン出身の市長が税金でコンクリを買わせるため箱ものが増えるというカラクリです。こんな状況下で建設すれば、反市長派がまんまアンチパルセイロに回るのは必至。まして山雅の力を借りなければ現行のスタすら半分も埋まらない現状でJ規格のスタなど無用の長物でしょう。書いてて情けないのですが。
彼らの理屈は箱さえ作れば人が集まるですが、意味不明の箱ものに埋もれドーナツ化現象の進む市街地を見れば理論の破綻は一目瞭然。サッカーに冷淡な土地柄に血税を投入して建てたスタを市民はどうとらえるんでしょうか。
かたや松本駅から市街地を歩けばフラッグや看板、至る場所で緑を目にし、ここが山雅の街とすぐにわかります。目先の勝利やアルウィン、松田直樹よりもそのことがうらやましいです。
愚痴が長くなりました。
今回は映画の紹介です。もしかしたらピンとくるかもしれません。「クラシコ」です。
松本山雅と長野パルセイロがまだライバルと呼んで差し支えなかった2009年の北信越リーグを追ったドキュメンタリーです。
サッカーシーンのみならず、長野と松本の確執や地域性まで掘り下げた作品で、地域リーグを知るうえでは貴重な場面がいくつも出てきます。
私はこの映画を昨年春に、アルウィン近くのシネコンで見ました。松本人の相方は「まあ、面白かった」私は「時間返せ」。
長野と松本の対比があまりに極端で、松本寄りというよりなんか長野に恨みでもあるんかと言いたくなるような作りでした。
あれから一年、この映画を見直す機会がありました。両者がほぼ対等だった当時に隔世の感を覚えもしましたが、認めざるを得ない部分はあるのかもしれないと思いました。
「民」がチームとともに街を変えつつある松本、「官」が必死に笛を吹くほど人心が離れてゆく長野。二つの都市の今を映画は予見していました。残酷すぎるくらい鋭利に。
長野サポーターは不満でしょうが、ああいう作りにならざるを得ないほどその声は小さかったのでしょう。
多少くせのある作りですが、見て損はないと思います。
ひいき目抜きに見ても、松本山雅というチームは持ってると思います。ただかならず失速する時は来るので、そこをどう乗り切るか。がんばって将来ビッグクラブになってACLにでも出てねという感じですかね。
パルセイロは、ヤケ気味に書きますがこのまま行政を主導にJを目指す初のクラブになればいいと思います。市長が職員すら無視してスタジアム建ててやるから客集めろと言い、それに尻尾を振るチームに人はどこまでついてくるか。このご時世に火のないところにスタを立てようとする行政なんて稀ですから、これも一つの試みとしてアリでしょう。いっそ選手は全員公務員、髪型は七三分け、シュートの前にはかならず監督の印鑑をもらう…やめときましょう。
それが、私の「遺言」です。

「クラシコ」については、一度私のほうにも映画宣伝会社の方から案内をいただいていたのですが、最近の多忙ですっかり忘れてしまってました。遅くなりましたが、その文面を転載しておきます。

3月12日より、池袋シネマ.ロサ、吉祥寺バウスシアターにて公開
今、サッカーファンの間で密かなブームとして語られる「地域リーグ」の中で最も激戦と言われる「北信越リーグ」の “信州ダービー” を取り上げたドキュメンタリー映画です。
サッカー好きの方はご存知かと思いますが、今月9日、元日本代表DF松田直樹選手の移籍で注目を集めた「松本山雅FC」と「AC長野パルセイロ」による“因縁の対決 (=クラシコ) ”、そして、選手たちを支えるサポーターたちの熱き闘いの日々を一年間追っております。
サッカー選手ではなく、サポーターにスポットを当てた映画です。サッカーには詳しくなかった私ですが、スポーツを通して活性化した地域社会の“理想的な姿”を捉えた映画として非常にユニークで、面白いドキュメンタリーだと思いまして、この度ブラウニーが配給・宣伝を行います。
★2月上旬には、スペシャルゲストによる完成披露試写会を実施予定
試写の日程については、追ってご案内をさせていただきます。

まあ、長野サポーターであるびりけんさんからすると、愛があるゆえに余計現在の状況がふがいなく見えるのかもしれませんが、サッカーでも何でも勝てば官軍。松本に人気があるのであれば、それを利用した敵役となって、注目を集めるのも戦略としてはありでしょう。まずは何よりJFLでの信州ダービーの盛り上がりに期待したいですな!
つーか、クラシコを見たいんだけど、大阪には来ないのかなあ?