「リティにしては頑張っていたんだけど、やっぱりね」ドイツ・ブンデスリーガ第23節 フライブルク-ヴォルフスブルク(1-2)

今日は所要で一日出かけてしまうので、戦評の方は簡単に。
一言で言えば、ヴォルフスブルクの内容は非常に良かった。リトバルスキーが監督になってからは、明らかに全体をコンパクトに保つ意識が高まり、そうなると長谷部の気の利いたプレイもとたんに生き始め、この試合での長谷部は明らかにチームの中心となって、低い位置から効果的なボールの配給を繰り返していた。
攻撃でも、まだヘルメスはいまいちフィットしきれているとは言えないが、ジエゴは心を入れ替えたかのように守備にも奔走し、もともと運動量が豊富なトゥンジャイやシセロが幅広く攻撃に絡み、それが28分のヘルメスが決めた先制点の場面にも、しっかりとゴール前にも人数をかけて分厚く攻める新生ヴォルフスブルクの良さが出ていた。
ただ、コンパクトにする分、DFラインの裏にスペースが出来てしまうリスクが出てしまうのは当然で、前半にトゥンジャイの横パスのミスから一気にカウンターを食らって失点してしまうと、さすがリティと言うべきか(笑)、後半から懲罰かどうかははっきり分からないがトゥンジャイに代えてデヤガーを送り込み、そこからヴォルフスブルクの攻撃がいまいち噛み合わなくなってしまった。
それでも勢いに回るヴォルフスブルクが徐々にペースを握り始めたと思った瞬間に、右サイドから侵入してきたシセをリーターが見失ってしまい、長谷部の戻りも間に合わずにシセの個人技から失点。フライブルクは矢野を投入して逃げ切りを図り、ヴォルフスブルクもク・ジャチョルを入れるなどして惜しいチャンスは何度か作ったが決めきれず、残念な敗戦を喫してしまった。
リティは就任以来、やる気がない選手を戦力外通告するなど早速「壊し屋」らしい本領を発揮しているが、内容には一応プラスになって来ているようだ。が、この試合でのトゥンジャイの扱いを見ても、一歩間違うとチームの士気が崩壊する危険を孕んでいる可能性はあり、内容が良くても結果が出てこないと残留が危ないのではないかと思う。
ただ、特にクが入ってからの攻撃のダイナミズムには目を瞠るものがあり、あまり攻撃で良さが見えないポラークの代わりに彼を入れると、長谷部から前の選手はどこからでも攻められる面白いチームになるのではというワクワク感があり、果たしてチームがどちらに転ぶのか目が離せないところだろう。