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「いきなりのリティ劇場開演」ドイツ・ブンデスリーガ第22節 ヴォルフスブルク-ハンブルガーSV(0-1)

マクラーレン監督が解任され、リトバルスキーが新監督として初采配を振るう試合。長谷部が4-4-2のボランチとして復帰し、2トップはグラフィチとヘルメス、前の試合で監督の指示を無視してPKを失敗したジエゴはペナルティとして欠場。
リティ体制になってまずはっきり分かったのは、まず4-4でコンパクトなラインを保ち、奪ったボールを素早く2トップに当てるという形を目指しているんだなという事。以前は、ジョズエの1ボランチの割にコンパクトさが保たれておらず、中盤に広いスペースが出来て長谷部が右往左往してしまうような状況だったが、2ボランチにした事で中盤の密度が高くなって安定し、ボールを刈り取ってシンプルにつなぐ長谷部の良さが出てきた。
が、長谷部の相方であるポラークが贔屓目かもしれないがあまり攻撃にセンスが見られず、ヘルメスは連携が悪くて前での基点になれず、デヤガーもいまいち空回りでチーム全体に攻撃の有機性が無くて攻守の切り替えが遅く、前半はHSVに終始ペースを握られてしまっていた。
そして前半の33分にはグラフィチのポストプレイのミスからロングボールを放り込まれると、マークについていたケアーがかぶってしまい、慌てて相手を後ろから倒してしまってPKから先制点を与えてしまう。
ヴォルフスブルクも、3分後に長谷部のアーリークロスがどフリーのグラフィチにピタリと合うが、グラフィチはこれを大きく外してしまって同点の大きなチャンスを逃してしまう。
後半になると徐々にコンビネーションが良くなってヴォルフスブルクの出足が鋭くなり、これはいよいよ反撃の狼煙か?と思われた後半19分に。リティはグラフィチに代えて韓国代表ク・ジャチョルを投入。これでヘルメスとの2トップにするのかと思ったら、なんと長谷部が右SHに上がってク・ジャチョルがボランチというびっくりな布陣に。
当然、これではコンビネーションもまた一からやり直しで攻撃がまた機能しなくなり、最後はシセロまで投入するものの、ヴォルフスブルクは最後まで得点を奪えず、リティの初陣は黒星スタートとなった。
いきなり噴出したリティお得意の謎采配(苦笑)を見て思ったのは、どうもリティは選手の「売り」の部分を組み合わせて何とかしたいという思惑があるのかなと。
長谷部はアシストになるはずだった場面を初めとして右からのアーリークロスの精度に定評があり、クはミドルシュートが非常に得意だし、その考えは分からないではないけど、それをいきなり新体制で新加入の選手に期待するのはいくらなんでも無理がありすぎるだろう。
まあ、その1点に目をつぶれば(笑)マクラーレン体制よりもチームが前向きになっているし良い感じではなかったかと。ただ、個人的にはあまり守備でファイトしないジエゴやグラフィチはあまりリティのスタイルには合わないような気がする。彼らをうまくコントロールして走らせるか、それとも別の選手を抜擢するのか。その辺りが、ヴォルフスブルク復活の鍵になるんじゃないだろうか。

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