全国高校選手権2011 3回戦 尚志-関西大学第一(0-1)

しかし、ここまで無失点で勝ち上がってきた尚志のサッカーには予想以上に驚かされた。
運動量で定評がある関大一よりもさらに選手が良く走り、ソリッドな組織プレッシングが徹底されていて、ボールを奪うとタイミングよくサイドへとボールを展開するモダンサッカーのお手本のようなスタイルで、特に前半は関大一を圧倒していたと言って良い。
だが、25分にサイドからフリーで合わせたシュートがバーをかすって外れたシーン以外は、関大一が何とか尚志の早いサッカーに耐えて決定機を与えず、尚志に点を取るタレントがいなかった事は関大一にとってはラッキーだった。
関大一は後半開始早々にPKを得たがこれをGKにコースを読まれて弾かれてしまい、嫌な空気が流れたが、鹿島入団が決まっているボランチ梅鉢のパスから井村と浅井がDFラインの裏を狙う攻撃でリズムをつかみはじめ、ペースは関大一のほうに傾き始める。
しかし尚志もきっちりと人につく粘りのディフェンスで関大一に得点を与えず、これはPK戦になるかと思われた後半ロスタイムに、左サイドでのワンツーから浅井がゴールに流しこみ、関大一の劇的な勝利に終わった。
それにしても、これでベスト8に関大一、滝川第二、久御山と関西の高校が3つも進出したのは、かつて関西勢が低迷していた時代を思えばずいぶん変わったものだ。滝川第二の監督はヴィッセル神戸の育成部長になったし、久御山にはサンガユース出身の選手が多いそうで、やっているサッカーもそうだし、Jリーグの影響は高校サッカーにもかなり波及しているんだなと実感する。
もっとも、その割に高校選手権に比べるとJユースの試合はさっぱり表に出てこないのが残念だけどね・・・本当、地上波やマスコミの利権ってのは大きいよなあ(苦笑)。