「香川とバリオスのデッドヒート」ドイツ・ブンデスリーガ第14節 ボルシア・ドルトムント-ボルシア・メンヒェングラートバッハ(4-1)

同じボルシアをチーム名に頂くクラブでありながら、現在首位と最下位という対照的な成績での対戦となった試合。香川はもちろんこの試合でも先発出場。
試合は、当然のようにホームのドルトムントがボールを支配し、人とボールが小気味良く動くいつもの攻撃でボルシアMGを圧倒するが、香川のコースに飛んだヘディングを鋭くセーブするなどGKハイメロートの好セーブもあってなかなか得点を挙げることができない。
そうやってチャンスを逃し続けているうちに、ボルシアMGも徐々にドルトムントの攻撃に慣れてきて、むやみに人を追いかけるのではなくてコンパクトなゾーンを引いてドルトムントの選手を待ち受ける形にしてから守備が安定し始め、ドルトムントは前線へつなぐパスにミスが増えてきて嫌なリズムになり始める。
すると33分に、中盤をドリブルで攻め上がったロイスにロングシュートを決められ、とうとうドルトムントが先制を許してしまう。が、前半ロスタイムにスボティッチがCKから同点に追いつき、悪い雰囲気のままでハーフタイムにならなかった事はラッキーだった。
ドルトムントが同点に追いついた事でボルシアMGも後半から攻めに出てくるようになり、しかし前半に比べると運動量が落ちているのでプレスがあまりかからなくなり、52分にはゲッツェからスパッとラインの裏へとスルーパスが出され、それに反応した香川がGKを落ち着いて交わした後にゴールを流し込み、今シーズン7点目のゴールを決めて逆転する。
その後はボルシアMGの守備にもさらにスペースが開いてくるのだが、それで変に余裕が出たのかドルトムント選手一人一人のボールを持つ時間が長くなり、各選手の動きに連動性が無くなって逆に攻めあぐねてしまう。
それでも、77分にバリオスからの股抜きヒールパスを拾ったグロスクロイツが決めて3点差にすると、香川にゴール数で並ばれたバリオスがオフサイドラインから抜け出し、今度はGKの股を抜くシュートを決めて勝負あり。苦戦はしたけれども、終わってみればドルトムントの大勝であった。
この試合の香川は、いつものような中盤でフリーになる動きに加え、得点シーンのようなDFラインの裏を狙う積極的な動きが目立っていた。これまでは、どちらかというとその仕事はバリオスがメインではあったのだが、香川がそこに加わることで相手DFも狙いが絞りにくくなり、さらにチームの攻撃に厚みが出てくるし、1対1での対処も必要になるので香川個人にとっても良いトライだと思う。
ミッドウィークにはEL決勝トーナメントに進出する上で負けられない試合が待っているので、是非ともそこでも香川とバリオスのアベックゴールと行ってもらいたいものである。