「日本、不思議な優勝おめでとう!」 アジア大会サッカー決勝 UAE-日本(0-1)

いや~、しかし日本は苦しい苦しい(以下略
タイ戦は見てないけど同じようにポゼッションで劣勢に立っていたらしいし、準決勝のイラン戦に引き続いて、元来カウンターチームのUAEにさえポゼッションで負けるチームが、皮肉で無しに良く勝てたものだと思うよね(笑)。
UAEは、ここまで勝ち上がってきただけあって、選手個人個人のテクニックとキープ力に優れ、コンパクトな守備からきっちりとパスをつなぐサッカーを見せて来て、もともとボランチの守備力に課題を持っている日本は中盤で人数をかけて相手の攻撃を止めることができず、そうなるとDFラインも下がってしまう結果になってしまっていた。
そして攻撃面でも、長いボールを軸にセカンドボールへの対応が速いUAEに対し、日本は守備から攻撃への切り替えが遅く、山村も時折良い縦パスは入れるんだけど、ポジショニングや守備への対応が不思議ちゃんであまり中盤で利いておらず、ここまで攻守のアクセントとして奮闘してきた山崎も数的不利の中で無理なドリブルを仕掛けざるを得ず、前に人数をかけてきていたUAEの浅いラインをなかなか突破することが出来なかった。
日本がほとんど守備に回らされていた前半は、UAEもそうそう大きなチャンスは作れず、シュート数はUAE4、日本2という我慢の試合となったが、後半もいきなり相手のゴールがバー>GK安藤の足>またバーに当たる大ピンチで始まり、前途多難のように思われた。
しかし後半も15分を過ぎると、ようやく前の2試合で120分を戦ってきたUAEの足が止まり始め、日本がようやくパスを回せるようになるが、肝心なところでミスが出てUAEに攻め込まれるパターンでなかなか主導権を奪い返せない。
が、27分のCKで、ショートコーナーから水沼が蹴ったクロスが、ファーサイドにフリーでいた實藤に渡り、思い切り良く放たれたシュートがUAEのGKの手をかすめてゴールに入り、日本が思わぬ形で先制点をゲットする。
UAEはここから猛反撃、と行きたい所だったろうが、ここまでの疲れが出てきたのかそれほど反発力を見せることが出来ず、逆に日本がカウンターから良い場面を作り始め、試合終了間際にはセットプレイでGKが前線に出てきたところからのカウンターで、追加点まであと一歩という場面を作るなど、日本が落ち着いた試合運びで逃げ切り、見事男女のアベック優勝を手にする快挙を成し遂げた。
3軍と揶揄された、大学生とJのレギュラー未満を率いて優勝を手にした関塚監督の手腕は見事だったけど、Jでは万年シルバーコレクターの異名を取る監督のチームとは思えないほど、妙な運で勝ち上がった大会だったように思う。
その意味では、ジーコジャパンのアジアカップと同様に、中国の反日ブーイングが実は日本にとってラッキーチャームだったのかもしれないが(笑)、まあこれがジーコジャパンのような勘違いになるような心配もそれほど無いわけで、選手も監督もこの優勝で一皮むけて成長出来る良いきっかけになったのではないかと思う。
とにかく、本当に選手や関係者の方々にはおめでとうと言うしかない。が、選手個人で言えば、GK安藤、CBの鈴木と薗田、FWの永井以外はまだ五輪代表への切符を手にしたとは言えないわけで、これからさらなるレベルアップに精進してもらいたいところである。