「やっぱり運だけでは勝てません」イタリア・セリエA第12節 フィオレンティーナ-チェゼーナ(1-0)

ぶっちゃけ、試合結果を知っていたらこの試合はまず見てなかっただろうね(苦笑)。と思わず愚痴を言いたくぐらい、前節と同じ課題をリピート再生のように見せ付けられる、閉塞感一杯の内容だった。
とにかくチェゼーナの攻撃は完全に対策されて手詰まり状態で、1トップのボグダニは調子を落としている上にマークが厳しくてほとんどボールをキープできず、ジャッケリーニとスケロットは前にスペースがあってなんぼの選手なので、前を塞がれるとサイドへサイドへと逃げてしまい、バイタルエリアで誰もプレイ出来ず、結果的にクロスに飛び込める選手が足らなくてサイドを攻めても点の匂いが感じられない。
ヒメネスは、チェゼーナの中では比較的バイタルで勝負できる選手のはずなのだが、コルッチやパローロは低い位置からサイドチェンジをする事は出来ても、タイミング良く縦パスを入れたり、バイタルに上がってパスの中継点になるような、遠藤的なプレイが全く出来なくてボールが来ないので、結局はボールをもらうためにサイドへと逃げるしかない。
この試合でも、チェゼーナは長友の上がりを抑えて守備的に入り、フィオレンティーナの決定的なチャンスもGKアントニオーリが防いで何とか前半を無失点で折り返すが、後半14分に右サイドからのボールを受けたジラルディーノが、彼らしいトラップから反転してのボレーをゴールに叩き込み、とうとうチェゼーナは失点してしまう。
そこからはチェゼーナも反撃に出ようとはするのだが、長友の上がる先にはジャッケリーニがずっと張りっぱなしで左サイドに3人が固まる交通渋滞で、フィオレンティーナもサイドしか無いチェゼーナに対してきっちりサイドを塞いできたので攻め手は全く見出せず、最後のパワープレイも高さが足りずに破壊力が無く、決定的なチャンスはほとんど作り出せないまま試合終了。
こうなったら長友の個人残留(笑)しか希望は見出せないわけだが、この試合の長友はフィオレンティーナのドリブラー、バルガスを良く抑えて攻撃力を封じ込めていた。その分、攻撃ではあまり目立てずに、点を奪われてからも上がるスペースが無くて苦労していたが、それでも時折中に入り込んで連携に加わろうという意思を見せたのは、チームの攻撃の幅を広げるという意味でも良かったと思う。ま、それで別の形がそう簡単に作れるなら苦労はしないんだけどね・・・