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「代償の大きな勝ち点3」J1第27節 ヴィッセル神戸-名古屋グランパス(1-2)

共に、J1残留争いとJ1優勝争いをする上で、崖っぷちの負けられない同士の試合とあって、非常に白熱したゲームになった。
試合の前半は、まるで昨日見たパレルモとCSKAの試合のように、コンパクトで早く攻める神戸が1ボランチのダニルソンの両側にどんどん中盤を入り込ませ、前半だけで3度の決定機を作ったのだがこれを決められず、逆に名古屋が密集した神戸の守備をあざ笑うかのように、ワイドな展開からクロスを玉田がフリーで決めてあっさり先制すると、30分にはダニルソンの無回転気味のFKを神戸GK徳重が触れずに2点目と、名古屋にとっては非常にラッキーな展開で推移した。
しかし後半14分に、それまで中盤からの積極的な飛び出しで名古屋の攻撃を牽引していた金崎が負傷退場し、地蔵のように動かないブルザノビッチが入った事で名古屋の攻撃からダイナミズムが失われ、小川がダブルボランチの位置に下がって安定していた守備が、森岡というスピードのある選手が神戸に入った事で名古屋は受身になってしまい、そこからは試合の流れは一気に神戸に傾く。
そこから神戸は何度も左サイドから攻撃の形を作り、25分にはようやくポポがクロスから得点を挙げて1点差に追いつくものの、絶好の場面でシュートミスがあったり、楢崎のセービングで防がれたりで得点にはならず、最後は闘莉王が足を負傷して動けなくなり、FWの位置に残って耐える状況にまで陥り、ロスタイムの5分を辛くもしのぎ切って名古屋は勝ち点3をものにした。
試合後は玉田も足を引きずっていたし、今後は鹿島やガンバとの試合を残した状態で、攻守の柱である金崎と闘莉王を欠いた状態で残りの試合を臨まないといけない可能性が高くなったのは、非常に不安が残る結果になってしまった。が、J1を優勝するチームというものは、必ずどこかで奇跡的な試合をものにして来ているのは確かで、それを引き寄せる運がピクシーやチームにあるのかがポイントになるのは間違いなさそうである。
神戸は少なくとも勝ち点1は取れた内容だっただけに、こういう試合をものに出来ないとつらい。ボッティを早々に怪我で失った割りには内容が悪くないだけにまだ残留の可能性はあると思う。おそらく次節には戻る大久保を中心に、もう一度しっかり前を向いてまとまる事だろうね。

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