「コンパクトネスは七難隠す」J1第26節 浦和レッズ-セレッソ大阪(2-0)

公式戦9試合負けなしと調子を上げて8位に浮上してきたレッズが、ACL圏内の3位に位置するセレッソと対戦。
ともに4-2-3-1という布陣で、2列目に原口・田中、家長・乾というドリブラーを配するという意味でも非常に良く似たチーム同士の対戦とあって、試合は序盤から1対1での局地戦の状況を呈する展開。
今までの試合では浦和のビルドアップと展開力不足が目に付く事が多かったが、この日の浦和は前線からDFまでが非常にコンパクトで、ボールを奪ってから攻撃への切り替えがスムーズでフィード能力の足りなさを感じさせない出来になっていた。
そしてそれ以上に大きかったのが好調さを取り戻してきた田中達の存在で、今までは攻撃でテンポを変えられる存在は柏木しかいなかったのだが、そこに田中の反転・加速能力やアイデアが加わる事でさらに攻撃力が高まり、レッズの先制点もワンタッチでエジミウソンにパスを流した田中のアシストによって生まれたものだった。
ところが23分にその田中が負傷で高崎と交代してしまったことで、田中がいたスペースをセレッソのボランチ、マルチネスとアマラウに使われるようになってセレッソがボールを支配、高崎もあまり存在感が出せずに試合の流れはセレッソに傾く。
しかし浦和も細貝を中心にコンパクトな陣形を崩さず、家長と乾は単発的なチャンスは作るのだが得点にはつながらず、播戸や小松を投入するがレッズの守備の前にはほとんど効果を出す事ができず、逆に後半34分にドリブルで切れ込んだ原口にミドルシュートを決められ、セレッソはここで万事休す。
これで浦和は順位は8位ながらもACL圏内まで勝ち点5にまで差を詰めてきた。田中の怪我は心配だが、レギュラーで調子を落としている選手が見当たらないのでまだまだ上位を狙える勢いがある。逆にセレッソは肝心の家長と乾が丁重な出来。アドリアーノと清武は好調を維持しているが、サブの面子も効果的とは言いがたく、このままでは3位以上は厳しいところだろう。とにかくACL出場権争いは最後まで目が離せない。