「ソニー仙台、ジャイキリならず」天皇杯3回戦 ソニー仙台-セレッソ大阪(1-3)

仙台ダービーでベガルタを破ってJFLから勝ちあがって来たソニー仙台と、J1で好調なセレッソと言う注目の対戦。セレッソはほぼベストメンバーで臨んできた。
しかしユアテックスタジアムの芝がかなり悪いのと、やはりJFL相手との試合とあってかセレッソの動きは鈍く、いつものような前線が流動的にポジションを取ってパスをつないで仕掛ける攻撃が見られず、低い位置でコンパクトなゾーンを作るソニーの守備に手を焼いてなかなかチャンスが作れない。
それでも、前半29分にはソニーのパスをセレッソがインターセプトし、清武-乾とつないで、最後は乾がスピードに乗ったドリブルでソニーの守備を切り裂き、ゴール左隅に見事なシュートを突き刺して先制。と思ったら、2分後にイージーな対応をした丸橋が相手選手に抜き去られ、右サイドからのクロスのこぼれ球を大久保に決められて同点に追いつかれてしまう。
これで勢いに乗ったソニーが前に出始め、試合は白熱した展開になって行くが、やはりそこはJFLの悲しさでなかなかあと一歩のところで決定的なチャンスが作り出せない。そして、仙台の流れのまま前半が終わるかと思われた40分に、PA内でパスを受けようとした乾にソニーの瀬田が足を出し、乾がシミュレーション気味に倒れた瞬間に笛、アドリアーノがPKを決めて1-2で前半を終える。
後半は2点目を決めて落ち着きを取り戻したセレッソが試合をコントロールするようになるが、失点場面でも見られたような集中力の欠如がところどころで顔を出し、20分にはCKからソニーの選手を完全にフリーにしてしまい、ヘディングがたまたまGK松井の体に当たったものの、完全に1点もののシーンであった。
逆に、その2分後には家長のファール臭いプレイが流され、ソニーが足を止めてしまったところで最後はアドリアーノが決めて3点目。これでようやく勝負ありで、天皇杯3回戦はソニーも含めてJFL勢は全て姿を消すことになった。
まあセレッソにしてみたら、いくらベストメンバーだからと言ってもメンタル的に集中が難しい試合だったかもしれないが、乾も得点シーン以外はあまりピリッとしなかったし、家長は言わずもがなで、ドイツと代表で輝いている香川の姿を見てもうちょっと気合を入れてくれないと、これではザックのお眼鏡にかなうことがないぞ、と言いたいよね。次はお得意様の鹿島が相手だが、二度あることは三度あるになるのか、鹿島は三度目の正直になるのか、楽しみである。