「バイエルンを撃破で6連勝!」ドイツ・ブンデスリーガ第7節 ボルシア・ドルトムント-バイエルン・ミュンヘン(2-0)

ドルトムントはバイエルンに勝つには勝ったが、1トップとして久々に先発出場したマリオ・ゴメスが少なくとも前半に3度の決定機に外してくれたおかげであり、逆にドルトムントはワンチャンスでバリオスが決めたものの、内容的にはかなり出来の悪い試合だったと言えよう。
バイエルンは、調子が悪いとは言え守備のプレッシャーと個人能力はやはりドルトムントよりも上で、前半はサヒンとベンダーのボランチに対して、ファンボメルや2列目に入ったシュヴァインシュタイガーが圧力をかけて良いパスを出させず、バリオスや香川に生きたボールが入る機会をほとんど作れなかった。
後半7分にスローインからのこぼれ球を拾ったバリオスがうまく胸トラップからのシュートを流し込み、その5分後にはサヒンがFKを直接決めて2点差になると、バイエルンはオリッチを入れた2トップにして中盤を緩め、そこからようやく香川も前を向いてボールを持つ事が出来るようになったが、香川自身は75分でお役ご免で、バイエルン戦で得点と言う私の言霊は、残念ながら今回に限っては発揮されなかった(笑)。
ドイツ誌による香川の採点もドイツ式表記の3と3.5で決して高くはなかったが、個人的には今までの試合で最も好ましいプレイぶりだったのではないかと思っている。
今までだと、これだけプレスがきつい中では、香川は中盤までボールをもらいに下がって来たり、全部ワンタッチでボールを返そうとして味方が反応できなかったりと、圧力から逃げる事が第一な感じだったが、この試合では終始バリオスとの距離を短く保ち、キープするべき時にはしっかりと体を張り、ボールをもらえなくても前線からチェイスしてパスコースを限定させるという、まさにチームが求めるプレイを地道にやり続ける姿勢が見えていた。
そういう香川のプレイにも味方は答えてくれているようで、香川に対して激しいマークがされている状態で、香川に渡るまでにパスがカットされてしまう場面も多かったが、それでもボランチやDFから香川にボールを預けようとする姿勢が見られたのは、数試合前までとは全く違う様相になっていると言える。
これで欧州は国際Aマッチウイークに突入し、香川も代表でのザック初采配試合に臨むわけだが、楽しみでもある反面、これだけの素晴らしいチーム環境を怪我や疲労で台無しにしてしまうのだけは勘弁して欲しいところだよなあ。