「勝負は第2レグへ」ナビスコカップ 準決勝第1レグ サンフレッチェ広島-清水エスパルス(2-1)

怪我の佐藤とストヤノフ以外は通常メンバーで臨んできた広島に対し、前節で名古屋に大敗した清水は、鹿島戦に向けてのローテーションともショック療法とも取れる大胆な変更で、原の1トップに2列に大前ら3人を並べる4-2-3-1という形にして来た。
試合は序盤こそ清水がサイドへの早い展開から広島を押し込むが、広島が清水の攻撃に対応してサイドをケアし始めると、とたんに清水の攻撃にスピードが失われて中盤の構成力に勝る広島がポゼッションする展開に移ってしまい、中央からサイドへと崩されて何本もシュートが清水ゴールへと飛んでくるが、西部がファインセーブを連発して何とか前半は無得点で終わった。
後半になると、清水がまたもスタートダッシュを見せて原の飛び出しや大前のドリブルなどからチャンスを作るが、55分に広島が中島の攻撃参加で清水のDFラインを突破し、高萩のシュート性のクロスを李が体で押し込んで広島が先制してしまう。
清水は本田拓と岡崎を投入して反撃を狙いに行くが、68分にロングボールのカウンターから李、高萩と渡って放たれたシュートがスライディングして来たボスナーの足に当たり、浮き球のボールとなってゴールへと吸い込まれる。
広島はそこから引き気味の布陣にして逃げ切りにかかり、清水も広島を攻めあぐねる展開でこのままのスコアで試合は終わるかと思ったのだが、76分に山本のクロスをストヤノフがクリアミス、ボールは西部が何とか触るがこぼれ球が枝村の足元へと転がり、清水は難なくアウェイゴールを挙げてしまう。
その後は、疲れもあってかどちらもリスクを避ける戦いになって、このままのスコアで終わらせようと言う空気が流れる中、試合は終了。勝負は清水での第2レグに持ち越された。
清水としては狙いも内容も決してうまく行ったとは言えない試合になってしまったが、それでもアウェイゴールを1点取っての1-2だから結果としては御の字だろう。ただ、第2レグは代表で岡崎が抜ける事が確実なだけに、鹿島との試合で結果が出ないと、ズルズルと引きずったままの第2レグになってしまうかもしれない。
逆に広島にしてみれば、選手の疲労は気がかりだが李が絶好調なのが心強いところ。ただし、先制点を奪われて清水にカウンター狙いに徹されると厳しくなるので、慎重な試合運びを心がけたいところだろう。