「ルール・ダービーで2得点!」ドイツ・ブンデスリーガ第4節 ボルシア・ドルトムント-シャルケ04(3-1)

前回の戦評で、今のままじゃゲッツェに得点力で負けてるよ~と書いたら、何とアウェイのルールダービーで2得点を決めてしまうとは、まさに恐るべき引きの強さと言うか、今までの日本人選手が何度と無くぶつかって来た壁を軽々と越えてしまう呆気なさは、何て表現していいのか分からなくなるよね。
課題をここに書いたら香川がすぐクリアしてくれる逆デスノート状態であるならば、次はバイエルン戦で得点を挙げないと、まだ高原の実績には勝てないよ、と言っておこうか(笑)。
とは言え、香川のプレイが良かった以上に、シャルケの守備がザル過ぎたという事はエクスキューズとしておく必要がある。
昨シーズンに2位と言う成績を残した同じチーム、同じ監督とは到底思えないぐらいにチームがバラバラで、セットプレイではゾーンなのかマンマークなのか分からない曖昧な守備で何度もフリーでドルトムントの選手にボールを触られ、香川がバイタルエリアでボールを持っても、マンマークをつけるわけでもなく、ただDFラインの4人がパイロンのように突っ立ったまま、どんどんドルトムントの選手に入り込まれているような状態だったので、ジョズエのすっぽんマークに遭ったヴォルフスブルク戦の課題については、残念ながら何の参考にもならなかった。
攻撃面でも、エドゥが入った後半は盛り返したが、味方の動き出しが悪くてフンテラールとラウルが孤立し、DFやボランチの位置でパスミスを連発させてチームのリズムがあっという間に崩れる要因になってしまっていた。
マガトは長谷部を育てたり、大久保や内田を採ってくれたりと、日本人選手を高く評価している監督だし内田もまだまだこれからというのもあって解任されて欲しくないんだけど、次負けるようだとさすがに首がヤバいだろうし、今の守備状態では巻き返しはかなり厳しそうだから困るよなあ・・・
と、相手がそういう状況ではあったが、それでもなかなかフリーでもボールをもらえなかった前節とは比べ物にならないぐらいにトップ下の香川にはボールが集まるようになっており、あまり呼吸が合っているとは思えなかったサヒンからもこの試合では縦パスを良くもらっていて、「何だ、みんなやろうと思えば香川の位置にパスを出せるんじゃないか」と思ってしまった(笑)。やはり欧州では結果を出しさえすれば、全てが良い方向に転がっていくのだなと改めて痛感してしまったね。
ただ、トップ下の位置で後ろ向きにボールをもらった時に、あまりにも簡単にバックパスではたいてしまう場面が多かったのは気になるところ。香川のフィジカルの課題を理解した上での監督の指示である可能性は高いと思うが、そこに甘えずしっかり体を寄せられてもキープできる体幹の力を付けていかないと、欧州では1トップ下の選手に素早く後ろがフォローしてくれるチームは珍しいうちに入るので、次のステップを考えれば放置しておいて良い課題ではない。
また今晩にはカイザースラウテルン戦が待っており、ハードスケジュールの上にドルトムントとは勝ち点2の差にいるチームだけに、ガッチリ守られる試合になるとは思うが、是非良いニュースを聞きたいものである。