「ダービーらしい結末」J1第20節 ジュビロ磐田-清水エスパルス(2-1)

数年前にセリエAで黄金期を築いていた頃のユヴェントスでさえ、当時AとBをエスカレーターしていて順位もずっと下だったトリノを相手にしたトリノダービーでは、常にトリノに対して苦戦していたように、ダービーマッチというものは順位に関係なく拮抗する展開になる事が多いのだが、この試合もダービーらしい、下位である磐田の頑張りが非常に目立った内容だった。
清水は小野と本田拓が負傷でスタメンから外れ、山本真希と伊藤のダブルボランチに、岡崎とヨンセンの2トップという4-4-2で臨んだのだが、前田とジウシーニョの2トップが積極的に前からプレスをかけて清水の攻撃を分断、そこからサイドを中心に積極的に仕掛ける攻撃で、前半は磐田が優勢に進める。
そして23分に、右サイドから山本康裕が清水の選手3人をドリブルで振り切り、センタリングをジウシーニョがうまくダフらせてGKのタイミングを外す技ありのゴールで磐田が先制する。
しかし清水も、ボールを磐田に支配されながらも少ないマイボールの機会からチャンスを作り出す試合巧者ぶりを見せ、41分にはゴール前での混戦から岡崎が体でボールを押し出し、詰めていた太田が決めて清水が同点に追いつき試合は振り出しに。と思った次の瞬間、またも清水は山本康裕の反転する動きにあっさり釣られてしまい、シュートはDFに当たってコースが変わり、GK西部も為すすべなし。
後半から清水は枝村、小野と選手を投入して試合のペースを握り返すものの、川口を中心とした磐田の守備陣の集中力は最後まで切れず、前節に活躍を見せた原もこの試合では良いところが無く、清水はとうとう3連敗になってしまった。
どちらにも欠場が多かった試合だが、右サイドの山本康裕と駒野の活躍は西の不在を感じさせなかったのに対し、ボスナー・廣井の清水CB陣はジュビロの2トップに仕事をさせすぎてしまっていた。4位に転落した清水の次は5位川崎との試合が待っており、ここで踏ん張れないと優勝はかなり厳しくなってしまいそうだ。