「果たしてブラジルに勝てるのか?」南アフリカ・ワールドカップ ベスト16 オランダ-スロバキア(2-1)

いや~、しかしブラジルは強いねえ。
チリとの試合はまだダイジェストでしか見ていないけど、チリのチャンス場面では、チリの選手が跳ねたトラップをツータッチ、スリータッチして何とかパスをつないでいたのに対し、ブラジルの得点場面では流れるように人とボールがつながり、肝心なところでボールをしっかり手なずけるテクニックには、残念ながら雲泥の差があったと言えよう。いや、あれだけ攻撃的なサッカーで絶賛されたチリがここまで叩きのめされてしまうのだから、まだまだ本当の世界は高くて遠いねえ・・・
さて、そのブラジルと対戦するオランダだが、ベスト16ではイタリアを下して決勝トーナメント行きを決めた難敵スロバキアと対戦。
スロバキアは、ちょうどW杯における日本のように、試合毎にチームには自信がみなぎって来ていて、この試合でも全員の献身的な守備意識と衰えない運動量でオランダを最後まで苦しめるサッカーを見せていて、初戦のNZ戦で見せたようなナイーブさはすっかり影を潜める堂々たる戦いぶりであった。
が、やはりそこは悲しいかな経験の足りなさで、カウンターからロッベンに抜け出されてしまった1点目、早いリスタートに集中を切らせてしまった2点目と、ほとんどの時間で良く守っていたのに肝心なところで守備にミスが出てしまい、後半21分に訪れた決定機も結局決めきる事ができず、パラグアイ戦の日本もこういう事になる可能性は十分あるよなと思ってしまった(笑)。
オランダについては、世間で言われているほど酷い試合をしたとは思わないが、ファンペルシやスナイデルといった攻撃陣に開催前の好調さが感じられなくなってきたのが心配。その分、ロッベンの働きでカバー出来てはいるけど、圧倒的な強さを見せているブラジル相手では、いかにロッベンがキレキレであっても多勢に無勢である。さらに、相手のカウンターに対する脆弱さがあまり解消されている気配も無いので、チリのように先制点を許してしまうと惨敗もあり得るように思う。
ブラジル戦では、まずはこの試合のようにバランスを崩さずしっかりした守備から入ってブラジルにスペースを与えず、速い展開からロッベンに勝負させるような形に持ちこめられれば勝機が見えてくるだろう。何にしても楽しみな対戦である。