「こりゃ本田一面は仕方ないよね」南アフリカ・ワールドカップ グループE 日本-デンマーク(3-1)

いや~、こういう事ってあるんだねえ。
と、その前にまずは岡ちゃんには謝っておかないと。本番前には散々くさして申し訳なかったです。正直すまんかった。
まあ、ここで岡ちゃんくさしたら日本が勝ち進めるのならば、これからいくらでも頭下げますって気分だけどね(笑)。でも勝負師としての強運には感服するしかないけど、これまでチビッ子コンセプトで2年半を無駄に費やした指導力については到底合格点は挙げられないので、続投するのだけは勘弁だけど。
とは言え、日本の試合への入り方は危なかった。日本が4-2-3-1にして1ボランチのCポールセンにプレッシャーをかけようとしたのだが、デンマークがロンメダールを中に置いてトマソンをアウトサイドに配する奇襲をかけて来たことで日本のマークが混乱し、トマソンを度々フリーにしたり、サイドががら空きになっているところを突破されたりと、よくこれで失点につながらなかったなという危ない場面を連発させてしまっていた。ここでもし先制されていたら、日本が試合をひっくり返すのは相当困難になっていただろうと思う。
そういう状況だったからこそ、17分に飛び出した本田のFKでのゴールの価値は、千金にも万金にも値した。
あれが決まったおかげで、守らせると強いデンマークがさらに前がかりにならざるを得なくなったし、30分に遠藤が決めたFKの場面でも、デンマークGKセーレンセンは、完全に本田が蹴る事を予測したポジショニングを取っており、隠れたアシストになったと言える。
高地+ジャブラニ効果で絶対に入らないだろうと言われていた無回転FKを決めた事はもちろん、カメルーン戦でのかぶったクロスのトラップが軸足に当たった時に、もしボールが彼の左足の前に転がっていなかったら、この試合に臨む状況や雰囲気がまるで違うものになっていたであろう事を考えると、つくづくこの男の勝負強さというか運の引きの強さというものは凄まじいと言うしかない。
本田はそれ以外の場面でもMOMにふさわしい働きで、前線ではデンマークの高さとフィジカルに屈せずイーブンボールを確実にものにし、1対1で抜けそうな場面は迷わず突破、そして冷静な判断で確実なパスを味方に出すなど、イタリア式採点なら8をつけられる文句なしの貢献であった。きっと、オシムも全新聞一面本田でも許してくれるだろう(笑)。つーか、マジで来期はビッグクラブにいるんじゃなかろうか。
さらに、この試合は先制点を取れた事は当然だけど、PKを1つもらってしまったとは言え、審判がボディコンタクトに厳しい判定をしてくれていた事も日本にとってはラッキーだった。イライラし始めていたデンマークの選手がひじを使い出した事にイエローが出されたおかげで、かなり相手の勢いが削げられたように思う。でも、大久保のセルフジャッジはあまりにいただけないけどね(苦笑)。
さて、次の相手はパラグアイである。個人技と運動量がある南米勢は、攻撃が単調になりがちで対策を立てやすい欧州勢よりも日本にとっては難しい相手だし、不調のイタリアが来るよりも厳しい対戦になるとは思うが、パラグアイも守備的な相手を攻め勝つだけのパワーは持っていないので、この試合のように先制点を決められれば勝つチャンスは十分にあると言える。
2002年にはベスト16に満足してトルコ相手に不完全燃焼で終わってしまったが、勝つにしても負けるにしても、今度こそは全てを出し尽くして欲しいものだ。