「やっと来た世界の洗礼」南アフリカ・ワールドカップ グループG ポルトガル-北朝鮮(7-0)

今大会では、欧州の強豪国がことごとく中堅以下の国に対して苦戦していたので、これはアジアが強くなったのか、欧州が弱くなったのか?と勘違いしそうになってしまっていたが、やっと世界との差を実感する点差の試合が出たなと言う感じだ(笑)。
北朝鮮は、敬愛する総書記のために腰の引けた試合は出来ないと奮い立ったのか、試合開始から積極的に前に出てポルトガルから何度もボールを奪うが、どれも強引なミドルシュートを打って枠外に飛ばすぐらいで、シュートの数の割りにポルトガルに冷や汗をかかせる機会はほとんど無かった。
逆にポルトガルは、北朝鮮の特攻攻撃の前にしばらくリズムが作れなかったが、北朝鮮が疲れて中盤でプレスがかからなくなって来ると、ここぞと縦パスとサイド攻撃で北朝鮮の守備ラインを翻弄し、29分にメイレレスがDFラインの裏へ抜け出し、スルーパスを北朝鮮ゴールに流し込んで先制する。
オランダ戦での大久保もそうだったが、北朝鮮が数多く放ったシュートがほとんどPA外だったのに対し、ポルトガルは少ないチャンスながらPAの中でシュートを打つ場面を作ってものにしてしまうあたりが、得点を取る事に関して共通したイメージと、それにつなげる戦術眼とテクニックを兼ね備えている欧州強豪と、日本を含むアジア各国とのまだまだ大きな差なのだなと痛感させられた。
後半になると、点を取りたい北朝鮮がさらに前がかりになるのだが、DFラインの押し上げとプレスが連動しておらず、中盤で空いたスペースをポルトガルの選手に好き放題使われ、マークに行くのかカバーに行くのか混乱しているうちにポンポンとゴールを奪われていき、最終的には7-0という点差にまで広がり、ドイツW杯でサウジがドイツに喫した0-8という大敗に迫る結果になってしまった。
まあ日本も少なからずこういう経験をして、何とか一応アジアの強豪と呼ばれる地位になって来たわけで、北朝鮮はここでグループリーグ敗退が決まってしまったけれど、ここからが本当のスタートが始まったんだなと気持ちをリセットして4年後を目指すしか無いところだね。