「オランダ戦のシミュレーション」南アフリカ・ワールドカップ グループB アルゼンチン-韓国(4-1)

う~ん、後半に訪れたビッグチャンスに、ヨム・ギフンが決めていれば全く分からなかったと思うけど、あそこで決められないのが現時点でのアジアと世界の壁なんだろうね。
しかし韓国は、前半は前線の選手がほとんど追わずに9人で自陣を固めて網を張り、後半は高い位置からプレスをかけてアジリティの高さでボールを先に触れるディフェンスという、2つの全く違うパターンで守備をしてくれた事で、日本がオランダに対して戦う場合の参考資料をたくさん提供してもらった格好になってしまったと言える。
前半はゾーンをきっちり固めはしたものの、足元にボールをぴたりと収めて反転、ドリブルする能力を持つテベスとメッシを捕まえきれず、ファールを犯してはセットプレイから2失点を喫してしまった。確かにオウンゴールは不運だったけど、やはりPA内にまで守備が引いてしまう状態で守りきるのはアジアの国にとってはなおの事難しいという証明でもあった。
後半に入って、韓国はボールホルダーに対して高めの位置からどんどんプレッシャーをかけ、相手にスペースと時間を与えない守備で一時は流れを自分たちに持っては来たのだが、肝心のチャンスに得点を決められず、75分から足が止まって立て続けにメッシとアグエロに守備を切り裂かれて2失点プラスと、どっかの国がオランダ相手に見せたような失速劇を見せてしまった。
結果的に4-1の大敗にはなってしまったが、前半早い時間帯でのオウンゴールがあった割には、韓国は気持ちが切れずに3点目を入れられるまでアルゼンチンを脅かしたわけで、とても立派な戦い振りだったと言える。アンチ・フットボール嫌いの某ライター氏は確実に喜んでいることだろう(笑)。
オシムは、後半の戦い方が最初から出来ればと語っていたようだが、それはオシム御大が直々に指導したチームでないと無理な話で(笑)、日本が現実的にオランダ相手に取れるべき公算としては、どれだけ前半の韓国のようなアンチ・フットボールの時間帯を長くしつつ失点を防ぎ、選手交代などでスイッチを入れて後半の韓国で先制点を取る、というプランを考える必要があるように思う。
まあ、現実はきっとそんな風には行かなくて、いきなりボコスカにやられてしまって最後は流して終わられるパターンになってしまうとは思うが、強豪も慌てる時があるのだと言う事と、運動量と集中だけはしっかり最後まで持ち続けないといけないという事を、日本の選手にはこの試合を見てもらって、オランダ戦に向けて肝に銘じてもらいたいところである。