「ギリギリのつばぜり合い」南アフリカ・ワールドカップ グループG コートジボワール-ポルトガル(0-0)

昨日は寝不足だったので、この試合は途中まで見て寝るつもりだったのだけれど、どちらもブラジルとの対戦を控え、この試合で負けたらいきなり大ピンチになるという、今大会の1巡目を象徴するかのような緊張感溢れる試合運びにつられ、結局最後まで見てしまった。
ポルトガルは、親善試合で露呈したCロナウド依存のサッカーは変わらず、そのCロナウドが序盤に1本、バーに当たる強烈なロングシュートを放ちはしたが、その後は自陣にしっかり網を張り、身体能力と鋭い出足でポルトガルの攻撃をカットするコートジボワールの前にほとんど存在感が出せず、自慢の無回転FKもボールがやっぱり落ちずに不発と、孤軍奮闘はしていたがそれがチームとしての成果につながる事は無かった。
しかしコートジボワールのほうも、数え切れないぐらいの縦パスカットから速い攻撃を仕掛けるものの、最後は何故かドリブルからの無理な突破に仕掛けが偏るために、リカルドカルバーリョを中心としたポルトガル守備陣の上手さに最後のところでボールを刈り取られてしまい、チャンスの割にはシュート数を多く作り出すことが出来なかった。
後半になると、ポルトガルもそれまでの無理な縦パスを捨ててサイドへのロングフィードを使った組み立てに切り替え、コートジボワールの運動量が落ちて出足が鈍くなったのもあって、徐々にポルトガルがコートジボワール陣内でパスを回せるようにはなったが、陣形を崩さずしっかり守るコートジボワールに対してなかなか決定的なチャンスを作る事が出来ず、逆にロスタイムにははコートジボワールがドログバへのロングボールを拾って連続攻撃を仕掛ける場面を作ったが、結局ゴールを割る事は出来ずにスコアレスドローの痛み分けで終わった。
ポルトガルは1対1の局面で終始劣勢に立たされて、試合の流れとしては相当危うかったのだが、コンディションが良くて最後まで運動量が落ちず、コートジボワールのカウンターに対して粘り強く対処できた事がドローにつながった要因となった。コートジボワールは、後半の21分にドログバが登場してロングボールの起点が出来はしたが、やはりまだまだプレイに切れが無く、チーム力として万全では無いのが響いた感じか。
これで両チーム共に、ブラジルに対する戦績がグループリーグ突破の条件になる事がほぼ決まってしまったが、ブラジルとの対戦が3戦目に来るポルトガルのほうが対戦順的には有利だと言える。逆にコートジボワールは、ブラジルに対してドロー以上で終わらせないと、グループリーグ抜けを決めたブラジルとポルトガルを対戦させてしまう事になり、二重の意味でピンチになってしまう。ポルトガルは、北朝鮮相手にどれだけ得失点差を付けられるか、というところがポイントだろう。