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「負けるべくして負けた」ACL2010ベスト16 城南一和-ガンバ大阪(3-0)

確かに、西野監督や選手が言うように、審判は終始城南よりだったし、1点目のPKは誤審だった。が、それでもガンバ自身の出来が勝利に値したとは言えない試合だった。
前半15分までと、後半開始から先制点を奪われるまでは、ガンバは良く前に出て相手の攻撃を寸断、そこからパスを細かくつないでゴール前まで持ち込むガンバサッカーで攻め込んだものの、ルーカスや宇佐美のヘディングはコースが甘くて防がれてしまい、今までのアウェイであればこういう場面できっちり先制点をモノにする事で展開を有利に進めていたガンバにとって、そこが第一の誤算になってしまった。
そして一旦ガンバのペースが落ち始めると、DFラインの押し上げの無さに加えて中盤との連携不足で相手に自由なポストプレイをさせてしまい、そこからサイドに展開されては1対1での対応の甘さを突かれてボールを奪えず、セカンドボールでの出足でも劣ってしまって、ほぼ一方的な城南ペースに持ち込まれ、前半のうちに3点を取られてもおかしくない内容だった。
確かに、PK以外でもボディコンタクトの場面では、城南の選手が倒れると7割がたはガンバのファールに取られてしまう状況だったので、強く当たりに行けない事が出足の鈍さにつながった面はあっただろうが、城南の選手はルーカスや二川の足技に対しても、ギリギリのタイミングで体を投げ出してボールカットを試みていたのを見ると、彼らに比べて何が何でも止めるという気迫に欠けていたのではないかと思う。
また、攻守の要である遠藤の出来も非常に悪くて終始存在感が薄く、CSKAのクラシッチじゃないが、W杯の事しか頭に無かったのではないかと言われても仕方の無いプレイぶりで、事実上のチームリーダーである彼がそういう状態では、やはり勝てる試合も勝てないのは当然である。しかしW杯に向けてこそ、こういう真剣一発勝負における球際でのギリギリの攻防や、慣れないピッチでの試合を1試合でも多く経験する事が重要なのではないだろうか。
かなり厳しい事を書いてしまったが、西野監督は日本人監督の中ではトップと目されている監督だし、選手のタレントも含めてJリーグを代表するチームなだけに、単にガンバというJのいちクラブが負けたじゃなくて、日本が負けたという重みを感じてもらいたいのである。

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