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「これぞ本当の個と組織対決?」J1第9節 ベガルタ仙台-セレッソ大阪(1-1)

個と組織という単純な二元論は私の最も嫌いな論説ではあるのだが、この試合に限ってはそのフレーズ以外に試合を要約する言葉は無いように思ってしまった。
セレッソの前5人、アドリアーノ・香川・乾・家長・マルチネスはJ1の全チームを見渡して見ても才能という点ではトップクラスのポテンシャルを持っており、しかも彼ら1人1人がそれぞれボールを持てる能力を有しているので、前半はセレッソが個人能力の差だけでボールを支配してチャンスを作る展開になった。
しかしセレッソの攻撃は、個人間のアイデアとコンビネーションによるものがほとんどであり、チームとしてコレクティブに形作られたものではないので、最終的に個人の能力で完全に1対1を制さなければフリーでシュートを打つというところまでにはなかなか行けず、それが前半の無得点から後半に先制点を仙台に与える苦しい展開に持ち込まれた要因になっていたと言える。
後半からセレッソの運動量が落ちると、今度は組織に勝る仙台がパスコースの選択に苦しむセレッソのミスを誘い始め、今度は逆に仙台がペースを握って一時は先制まで持ち込んだが、それでも一瞬の隙から同点に持ちこまれてしまったところを見ても、もっともっと試合に対する厳しさを見せて行かないと、残留争いの魔の手が今後も寄り添うことになってしまうだろう。

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