「ジーコジャパンには近づいた」アジアカップ予選 日本-バーレーン(2-0)

この試合を余計な試合だと言ってる人もいるが、個人的にはある意味ポジティブに捉える事が出来た試合だったように思う。
それは今までの、チビッ子が狭いスペースでゴチャゴチャとパスを回して手数と時間をかけ、最後にSBがクロスを上げるも守備を整えた相手に跳ね返され、全員が攻め上がったところでカウンター一発かセットプレイでやられる「コンセプト縛りサッカー」から解放され、ある程度ポジションバランスを整えながら長いパスを交えて攻める「普通のサッカー」をやっていた事にある。
その原因は、クラブで日ごろから普通のサッカーをやっている欧州組が加わり、かつ選手の集合からすぐに試合があったために岡ちゃんが「コンセプト」を徹底させる時間が無かった事、そして激しいポジションチェンジとプレスが出来るほど欧州組にスタミナが無かった事だろう。
欧州組のコモンセンスとコンビネーションが主体の戦術と言えば、まさしくジーコジャパンそのものなんだけど、逆説的に監督があまりコンセプトに関与しなければ、ジーコジャパン程度にはなれると言う事を証明できただけでも価値があったのではないかと思う(笑)。
岡ちゃんは本田が点を取った事を褒めていたけど、おそらく今後も本田は「コンセプト」に忠実なプレイはしないはずだし、中村も試合後の談話ではターゲットマンがいる事の有用性を語っている。既に岡田ジャパンからは、玉田・大久保・中村憲の「ベストメンバー」は忘れ去られてしまったかのようだ。
この試合が、1年間かかって回り道してきた「コンセプト」を放棄するきっかけになるのか、それとも本大会もコンセプトに殉じるのか。国際Aマッチデーではないために海外組の召集が難しい、4/7のセルビア戦での戦い方に注目したい。