「さらに現代サッカーは運動量と規律が命」第88回高校選手権決勝 山梨学院大附-青森山田(1-0)

カウンターサッカーとパスをつなぐサッカーに対する相性は当然あるんだろうけど、矢板中央の時の内容は何だったんだと言う位、山梨の攻守の切り替え、プレッシングの速さ、運動量、選手間の意思疎通が際立っていた試合だった。
青森山田は、確かに柴崎と椎名は山梨のプレスに対してもいなせる能力があったのだが、それ以外の選手がプレッシャーに負けてボールキープやパスにミスを連発、守備面でも山梨の実効性とは明らかに違ってボールへのアプローチが遅く、フィジカルコンタクトよりもパスコースを切るほうに意識が向いてしまう、いかにも日本のユース世代らしい脆弱性をさらけ出してしまった。
そのおかげで青森山田のDFラインはズルズルと下がってしまい、柴崎が前線に絡みたがるために中盤で椎名が孤立、そのスペースをさらに山梨に使われる悪循環を招いていた。柴崎もボールを持った時のプレイはさすがだったけど、それ以外の部分ではかなり物足りない出来だったね。
関西大学第一との試合も、序盤はそういう傾向が見えたのだが、その時とは逆にきっちり山梨の碓井に先制のミドルシュートを決められてしまった事で、山梨の強みである守備力が活きる展開になってしまったのも青森山田にとっては痛かったポイントだろう。
青森山田は、後半に入ってからようやく出足に積極性が出てき始め、その後は山梨から試合のペースを奪ったのだが、山梨の守備陣が最後まで集中力を切らさず逃げ切り、山梨にとっては点差こそ最小ではあったが、内容としては完璧と言えたのではないだろうか。
今年は関西では地上波が少なかったおかげで、あまり高校サッカーの試合を見ることが出来なかったが、「走る」サッカーが優勝したのは近年さらにメンタルやフィジカルが小粒になりがちな日本ユース世代の現状を考えると良かったように思う。
さて、次は超満員だった国立とは全く違う、ガラガラの長居でのJユースカップの録画試合を見ないとね(笑)。