「まるで欧州対日本」高円宮杯全日本ユースサッカー大会2009決勝 横浜Fマリノスユース-磐田ユース(7-1)

優勝候補筆頭クラスだったサンフレッチェ広島ユースを破って決勝へと駒を進めた磐田だったが、決勝の相手である横浜には完膚なきまでの完敗。ユース年代は試合後との出来の差が激しいし、テレビは1時間のダイジェストだったので全体の出来がどうかは不明だが、この試合を見る限りでは個人戦術の差が大きなファクターとなったいたように見えた。
磐田は、今までの日本ユース世代チームの典型例のようなサッカーで、とにかくボディコンタクトを避けてパスで交わそうとするのだけれど、あまりに急ぎすぎてパスやトラップが不正確になったり、ドリブルも正直にまっすぐ突っ込んでみたりと、横浜のプレスも早かったにせよあまりにも個々のプレイに余裕が無く、結局はどこかでミスを犯して相手にボールを取られてしまうというパターンに陥っていた。
守備でもスペースは埋めているのだけれどボールにアタックする事が出来ず、誰が誰のマークに付き切るのかという部分の混乱が最後まで続き、横浜の中盤の飛び出しに全く対応できないままに次々と失点を重ねてしまっていた。
逆に、横浜の選手はボールを受けてもプレイを急がず、まずはボディシェイプを整えて相手に取られず、かつ自分がコントロールできる位置にボールを置く事が優先・徹底されており、相手が次の瞬間に間合いを詰めようとしても、スッとボールを動かしたりドリブルで交わして1対1を制してからパスを出すなど、決して上手ではないんだけど、基本的なパスを止めてつなぐ事はミスしないイングランドやドイツの選手のプレイを見ているようだった。
逆に守備では、磐田の選手がトラップした後にコンタクトをかけてバランスを崩してボールを奪ったり、体をスクリーンさせて体勢を入れ替えてみたりと、対人のスキルやテクニックをうまく生かしている点に好感が持てた。来期はユースからトップ昇格が一人も無いらしいが、下手にテクだけあってスキルゼロの選手よりは、いろんなチームで役に立てる可能性は高いと思う。是非どんどんと下からJへと這い上がって来て欲しいね。