南アフリカW杯欧州予選グループ6 イングランド-クロアチア(5-1)

イングランドのW杯出場がかかったグループ1位2位対決、しかも2年前のユーロ予選で本戦出場を逃した因縁のクロアチアが相手とあって注目された試合だったが、結果はあっけなくイングランドがクロアチアを5-1で一蹴。カペッロ・イングランドの強さだけが目だった試合だった。
イングランドは前線のへスキーとルーニーから始まって、とにかく全員が攻守に渡って汗かきを厭わない。特にイングランドの4点目が象徴的なシーンで、イングランドがクロアチア陣内で執拗にボールを追い回し、しまいに相手の根が切れてボールを奪うと、すぐさまそこから前線に2人が飛び出してルーニーがタッチライン沿いからクロス、クロアチアの人数は揃っていたけどジェラードが高さを生かして難なくゴールを決めてしまった。
そして全員が運動量とフィジカル、規律、高さに優れているのに加え、最初のPKをゲットしたレノンのスピード、ドリブルがアクセントになって強力なサイド攻撃を形作ってると来れば、へスキーの決定力不足を除けば(笑)今のところイングランドにはほとんど穴がない。まあ、穴がないと言われるチームほど本大会のトーナメントでコロリと負けてしまうのがW杯の法則ではあるのだが、現時点で間違いなく優勝候補に挙げられる国である事は疑いない。
クロアチアは、確かにイングランドが良かったのは事実ではあるが、最初の安易なPKといい、その後のマークするでもなく積極的な押し上げをするでもなく、何度もプレスがかかってない状態での中途半端なオフサイドトラップでピンチを量産したり、人数は足りているのにランパートやジェラードのマークについていなかったりと、完全にウェンブリーの雰囲気に飲まれていたのか地に足が着いていない戦いぶりだった。
これでイングランドは出場を決めたが、プレイオフ争いはウクライナがクロアチアより1試合少ない状態で勝ち点2差、しかもウクライナの相手はアンドラと既に出場を決めたイングランドという対戦で、クロアチアの残りがカザフという事を考えれば、イングランドの胸先三寸でクロアチアの運命が決まってしまうわけで、これはなかなか微妙で見逃せない展開である。