「21分間で3点差大逆転」J1第23節 ガンバ大阪-名古屋(2-3)

とにかく、残り時間がロスタイムを除いた18分になるまでは、ガンバは全く負ける気がしなかったに違いない。
ここまで6試合を5勝1分けで来ていたガンバは、この試合でもほぼ完璧な内容で、早い攻守の切り替えに加えてレアンドロやルーカスの前線への積極的な飛び出しに正確なミドルパスがビシビシと決まり、名古屋は3バックにしていたにも関わらず、このガンバの攻撃に対して守備陣が完全に後手に回り、14分と41分の得点以外にも遠藤と二川に決定機を作られるなど、楢崎の奮闘が無ければ前半で終わってしまっていた試合だった。
名古屋は三都主が左WBに入った事で正確なアーリークロスという武器を得たのはいいのだが、ケネディを怪我で欠いた布陣ではクロスも有効に使えず、サイドから苦心して組み立てても結局は前にボールが収まらずにガンバのスピード豊かなカウンターに翻弄される始末であった。これにはさすがにピクシーも業を煮やしたのか、後半から巻をセンターFWに入れてマギヌンをCHに下げて立て直す作戦に。
名古屋はここからシンプルに巻にボールを当てる攻めで統一されるようになり、多少はガンバの勢いを落とす効果はあったのだが、今度は阿部や津田を入れて4バックにしたせいかあちこちでミスが目立つようになり、ガンバをなかなか追いつめる事ができず、これはこのまま問題なくガンバが勝つなと誰もが思ったはずだった。
ところが、72分にポロリとサイドのスペースに流れたボールからのクロスを巻が先に飛び込んで1点差になると、何故かいきなりガンバの守備の押し上げが弱くなり、プレスがかからない中で突っかけてきた津田の足を遠藤が払ってしまってPK。そしてロスタイムに、何でもないマギヌンの放り込みFKをガンバGK松代が目測を誤ってカブり、ボールはそのままゴールの中へ。これで名古屋の大逆転劇が完了した。
ガンバは、結果論とは言え後半21分にそこまで飛び出しにパスにと獅子奮迅の活躍を見せていた二川を佐々木に交代した事が、かえって裏目に出てしまった感じ。ここまで連戦を連勝で来てこの試合も2点差で残り18分ともなれば、疲労もあって気が抜けてしまうのは人間だから仕方ないところはある。これを引きずらずに次に切り替えるしか無いね。
名古屋は勝ったとは言え、前半の中盤とCBの間にぽっかり穴が開いて、ここのスペースが大好きなガンバにいいようにやられてしまったのはあまりにも無策に過ぎた。三都主でサイドの攻撃オプションが出来たのはいいが、やはりこの試合でも守備ではまずい面を見せていたので、ピクシーマジックで諸刃の剣をうまくコントロールしてしのぐ試合はまだまだ続きそうだ(笑)。
追記:う~ん、楢崎骨折かあ・・・当然ACLを控えた名古屋には痛いだろうけど、代表にとっても痛いねえ・・・