「今度は別府選手8位!」ツール・ド・フランス2009第3ステージ

いやはや、昨日は新城選手が5位になったと思ったら、今度は別府選手が8位でもう既におなかいっぱいです(笑)。

http://www.cyclingtime.com/modules/ctnews/view.php?p=11334
昨日のインパクトが強すぎたのもあるし、昨日はゴール前の落車、今回は強風での集団中切れと幸運が続いた面があって、かえって今後何かが起こってしまうのではないかとつい心配してしまうほどですが、まあ結果が出るに越したことはありませんからね。
別府選手は昨日のレースでも積極的にエースやスプリンターのアシストをしていたようですし、そういう働きがあってこそ集団の前のほうに居て中切れ被害に遭わずに済んだわけで、これがただのフロックでない事は明白です。
ただ、あまり序盤で調子よく飛ばしていると、特に彼は経験がそれほど多くないだけに、3週間の長丁場では疲労が溜まってしまう可能性があるのが気がかりですね。もっとも、スキル・シマノチームは一発逃げ屋のヴォクレールがエースになっているぐらいのレベルのチームなので、山岳でアシストがそれほど酷使されるような事も無いでしょうから、うまく体力を温存して完走を目指して欲しいものです。
そして総合争いでは、中切れを起こした集団の後方にコンタドールやエヴァンスが取り残されてしまったのに対し、マイヨジョーヌのカンチェラーラやアームストロング、カヴェンディッシュが先頭に残り、当然スプリントを取りたいコロンビアチームが先頭を引きまくり、後方に40秒の差をつけてのゴール。
特にランスは、エースのコンタドールが後ろに居ながらもポポヴィッチやスベルディアといったチームメイトと集団を引きまくり、コンタドールに対するライバル心を見せつけ、まるでかつてのイノー対レモンを思わせるようなチーム内対立になりつつある感じがしますね。
それでアスタナの監督的にはいいのか、という意見も当然あるでしょうが、このステージを終えた結果、ランスがカンチェラーラとトニ・マルティンに続いて40秒差の3位に浮上したという点に注目すべきでしょう。
TTスペシャリストをズラリと揃えるアスタナとしては、連日の集団コントロールとスプリントで疲弊しているコロンビアとサクソバンクに所属する2人が、第4ステージのチームタイムトライアルでランスに逆転される可能性は決して少なくなく、ツール7連覇後に復活したランスが再びマイヨジョーヌを着るとすると、どれだけ世界が大騒ぎになるかは想像を絶するものがあります。
これは、何億という金額をかけても到底得られないような広告効果でもあり、スポンサー的にもこれほどおいしいドラマが作れるチャンスはあるはずも無く、それゆえの現時点での逃げ容認・対立放置ではないかと思っています。さて、そういう思惑通りに事が運ぶのかどうか、今晩は注目ですな。