「ホームで勝てない理由とは」J2第21節 草津-愛媛(2-2)

今期のJ2はホームチームの勝率が悪く、その中でも草津は実に8試合勝ちが無いという異常な状態で不思議だったのだが、実際に試合を見るとホームで勝てない理由というものが何となく納得できた。
J2で有能な外国人選手や代表級選手を持たないチームの場合、愛媛のようにきっちりと組織的に守ってカウンターというサッカーにならざるを得ないのだが、こと草津に限っては、松下と櫻田というJ2ではまれに見るパスセンスを持った選手がボランチにいるために、まず彼らが出す展開パスや縦パスを軸に攻撃が形作られている状況なのだ。
しかし、FWが特にポストプレイが強いわけでもなく、相手がアウェイでスペースを消しにかかってくるので、ガンバ並に狭いスペースの中で選手が流動的に動かなければスムーズな攻撃が出来なくなるのだが、広山も個人技はあるがコンビネーションが出来ているとは言い難く、そのうちミスが発生してカウンターからやられるというパターンに、この愛媛戦でも完全に陥ってしまっていた。
それでも草津は、後半に愛媛が疲れてスペースが出来始めるとようやくチャンスをものにして同点に追いつくことが出来たが、もっとコンビネーションを磨いて動き出しを早くしなければ、今後もホームでの苦戦は免れそうに無い感じだ。
愛媛はシーズン序盤の良い時に比べると、やはりチーム全体に疲れが出て守備のゾーンが低くなり、最後はスペースを使われ辛抱しきれずに失点してしまっている様子。最近の試合のデータを見ても後半の失点がかなり多く、これから条件が悪化する夏場に向けてどう建て直しを図るかが問われるところだろう。
それにしても草津の松下は良い選手だね。まだ守備力やゴール前に顔を出す運動量は少ないが、そういう点も含めて頭角を現す前の遠藤を思い起こさせる。そんなに若くは無いのが残念だけど、大黒と共にもっと高いレベルで見たい選手だね。