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「いつもの日本が帰ってきた(笑)」南アフリカW杯アジア最終予選グループA 日本-カタール(1-1)

まあ、W杯出場決定というぬるま湯の中で、アウェイアドバンテージで現実的な課題を思い知らせてくれた主審にはとりあえず感謝せざるを得ないだろう(笑)。
この試合の采配について一言で言えば、選手のテスト、適正判断という意味では収穫があったかもしれないが、勝つ事が目的であったならば全くの不合格だった内容だったと言える。
一応、批判がスタンスの私としては、勝つつもりだったと仮定して話を進めるが(笑)、その点で第一に間違いだったのは中村憲をトップ下に置いたジェラードシステムに固執してしまった事だろう。
中村憲をトップ下にするために、阿部と橋本をボランチに置いたのだが、Jリーグを見渡してみても厳しいプレスの中で前にボールを運ぶことが出来る選手は、遠藤の次に中村憲が来て、あとは五十歩百歩という状況が実情なわけで、橋本は遠藤というタクトマンがいてこそフォローで輝く選手であり、阿部に至っては判断の遅さに加えてPKにつながるミスを犯してしまった出来で、サブという立場を考えても厳しいプレイ振りだったと言わざるを得ない。
その次に来るミスとしては、本調子には程遠い玉田と中村を先発で使ったことで、玉田はスピードも切れも判断も欠けており、中村も先制点のパス以外は判断もボールキープもミスだらけだった。これならまだ、本田や松井を先発で使ったほうがはるかにマシな内容になった事だろう。
ウズベキスタン戦でもそうだったが、日本の大きな課題としては相手にフィジカルや個人技で押されたときに、ボールをキープして落ち着きをもたらせる選手がいない事で、岡崎にしても玉田にしても世界レベルではそういう仕事が出来るレベルにあるとは到底言えず、フィジカルだけなら世界レベルの本田や高さだけならイーブンに持ち込める可能性がある巻や矢野といった選手を使いこなす事を考えなければ、北京五輪の二の舞になってしまう可能性は非常に高いと言えるだろう。
アウェイで強い相手と戦うのはいいが、日本らしい試合が出来なかった場合に、どういう次善の手段が取れるかどうかが、本番を見据えた戦略として必要になって来るポイントであるように思う。

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