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キリンカップサッカー2009 日本-チリ(4-0)

正直、チリは個人技はあったが組織としてはほとんど機能していなかったし、チャンスの数だけを比べたら日本とチリにそれほど大きな差は無かったとは思うが、それでも岡田ジャパンになってからベストに近い内容だったと言える。
その大きな要因になったのは、オランダ2部MVPの本田の存在だろう。前回、代表で試合に出た時は一人試合の流れから孤立して無理な個人技を繰り出すだけで失望させられたのだが、この試合では強靭なフィジカルでチリの当たりをものともせずにボールをキープし、1点目の場面のようにどこからでも積極的にシュートを打つという、今までの代表に欠けていた要素をたった一人で埋めてしまう化けっぷりには驚かされた。
当面、本田は中村のサブとしての役割になる可能性が高いのだろうが、セットプレイやパスの精度、視野の広さという面では中村が上回っているものの、日本の弱点をカバーするという点では本田の有効度のほうが高いような気がする。一度2人を同時に使ってみて欲しいが、2列目に鈍足を2人置くのは攻守両面で問題があるし、難しいところだね。
そして注目の山田直も、さすがにチリのフィジカルの前に安定したプレイぶりとは行かなかったが、豊富な運動量と確実にボールに絡むサッカー頭の良さ、足元の技術の確かさで、未だに代表では気負いが抜けないプレイになってしまう香川と比べても(笑)、とても18歳とは思えない落ち着きぶりだった。
まだプレッシャーがかかる予選本番の試合をやったわけじゃないが、大久保や松井といったクラブでレギュラーを取れていない海外組は、今後の試合でよほど頑張らないと、今日の試合の面子に序列で追い越されてしまう可能性は高そうだ。つーか、岡崎は何で代表だとあんなに凄い選手になるんだ(笑)。
ただ攻撃面は良かったが、日本が攻撃参加に力をかけていた分、前掛りで守備の人数が足りなくてチリの選手と1対1に晒されていた時に、あっさりと抜かれてしまう場面が多かったのはどうにもいただけない。遠藤は言わずもがなで、長谷部もクラブではアンカーでプレイしているわけではないので仕方ない面はあるのだろうが、この試合ほどポゼッションを優位に出来ないであろう本番での事を考えると、不安なポイントであるのは確かだ。攻撃面で彼らの存在は欠かせないので、これからの試合やクラブでの成長に期待するしか無さそうか。

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