「これでこそプレミアリーグ」欧州CL準々決勝第2レグ チェルシー-リバプール(4-4)

第1レグはホームで1-3と思わぬ結果に終わってしまい、最低でも3点を取らなければいけなくなったリバプールだが、何と前半30分までに2点を奪った事で、試合は一気に熱を帯びた展開となった。
チェルシーは受けに回ってしまったのか、サイドでの攻防で完全にリバプールに負けてしまい、ワイドなポゼッションを繰り出すリバプールに守備の対応が遅れてファールを連発、攻撃でもDFからのフィードはプレスをかけられて精度が定まらず、ドログバになかなかボールが渡らない上にドログバへのフォローも遅れ、前半は全く攻撃でいいところが無かった。
しかも、先制点のFKはファビオ・アウレリオのニアへのボールにチェフが完全に裏を付かれ、2点目のPKもイヴァノビッチが両手で相手を抱え込むというあからさまなもので、この流れはリバプールの逆転勝ちかなと思えるぐらいの勢いの差があった。
しかし名称ヒディンクの手腕がそれを跳ね除けた。守備に追われて存在感が無かったカルーに代えて前半のうちにアネルカを投入すると、後半6分にそのアネルカが右サイドから相手を抜き切らずに低いクロスを上げると、ドログバの足がキャラガーより一瞬速くボールにさわり、コースが変わったボールをレイナがファンブルしてゴールに吸い込まれてしまう。
これでマークが集中していたドログバに余裕が生まれ、そうなるとバラックやランパードも生き生きとし始め、チェルシーはアレックスのFKで同点に追いつくと、ドログバの見事なアシストからランパードが3点目を奪って勝負はこれでほぼ決着。
・・・したのは確かなんだけど、リバプールもここで心を折らずに4-4まで追いつくのだからプレミアリーグは特殊だよね(笑)。まあ、そこからの展開は戦術もクソも無い完璧なノーガードの打ち合いなんだけど、絶対にイタリアでは見られないエンターテイメントだよね。
次のチェルシーの相手は優勝候補筆頭のバルサだけど、ドログバやランパードも調子が戻ってきたし、一発勝負に極めて強いヒディンクのマジックがあれば、意外となかなか良い試合になるのではないだろうか。