「まだまだこれから」J2第2節 東京V-C大阪(1-2)

セレッソが、結果はもちろんボールポゼッションでも決定機でもヴェルディを大きく上回った勝利だったが、ヴェルディにも確かな光明が見られた内容だった。
横浜FC時代には手堅いサッカーを見せていた高木監督らしく、4-5-1で中盤を厚くしたコンパクトなゾーンディフェンスを敷き、セレッソの楔を入れるパスに対して激しくチャージしてセレッソの攻撃スピードを遅らせ、ヴェルディは後半の途中まではセレッソを苦しめるサッカーが出来ていた。
が、後半も15分を過ぎると疲労からかヴェルディの選手の運動量や集中力ががたりと落ちてしまい、香川や乾のドリブルに対してマークが後手に回る場面が増え始め、攻撃面でも足を止めて遅いパスを回してしまうヴェルディの悪い面が顔をのぞかしてしまい、チアゴにセットプレイから2点目を奪われてからは、点こそ入らなかったもののセレッソの一方的な展開になってしまった。
この試合では途中で気持ちが切れてしまったとは言え、ヴェルディはやろうとしているサッカーは明確で、藤田や河野といったイキのいい若手が育っており、戦術が浸透して選手が経験を積んで行けば、まだまだJ1昇格に向けて巻き返しをする事は十分可能だと思う。
セレッソは珍しく今期獲得した外国人選手が当たりで(笑)、マルチネスは守備をしながらもパスを散らせるし、チアゴはまだCB同士のコンビが取れてないとは言え、セレッソにとって彼の高さは武器になるし、GKのキム・ジンヒョンは今までセレッソでは見たことが無いほどの安定感がある。
ただ、3-4-3はえてして硬直した攻撃になりやすいフォーメーションとは言え、攻撃の形が香川や乾のドリブルから始まるパターンがほとんどで、サイドやボランチ、カイオとのコンビで崩す形があまり見られないのは、相手にしてみれば研究・対策しやすいところだと思う。今年は好スタートを切ったが、広島のようにチームとして早くパスを回すオートマティズムを構築しないと、夏場や選手の離脱で苦しむ事にもなりかねない。
まあ、両チーム共に今後が楽しみになる成長の余地がある感じかな。