J1第1節 鹿島-浦和(2-0)

内容も結果も鹿島の完勝。厳しいかもしれないが、浦和にとってはこれが今の現実。
とは言え、浦和には変革しようとする片鱗は確かに見られた。今までの守備ありきな戦術ではなくて、ラインを押し上げてコンパクトなスペースの中でワンタッチでパスをつなぎ、相手をひきつけて一気にスペースへと展開する。そんなサッカーを目指そうという統一された意識は十分感じられた。
が、まだサッカーが体の中に染み付いておらず、鹿島がしっかりマークについているのにパスを出してカットされたり、スペースへの動き出しが遅くて何度も狭いスペースでパスを回している間に鹿島が守備に戻ってしまい、サイドへと展開したときには組織が出来上がっていてクロスはことごとく弾かれてしまっていた。
それに対して鹿島は全てがスムーズで、無理やり押し上げを作った狭苦しい中での浦和のミスを逃さず、ボールを奪うと一気のカウンターで何人もの選手がゴール前へと飛び出し、やすやすと2点を奪ってしまった。個の力を抜きにすれば、もはや鹿島のサッカーの形は完成の域まで達している。同じような指向性を持つサッカー同士が真正面からぶつかれば、そりゃ完成度の差がモロに出てしまうのは仕方ない。
鹿島もそうだったように、志の高いサッカーを形にするためにはかなりの時間がかかる。クラブや選手、サポーターがフィンケ監督を信じて、結果が出なくてもしっかりサポートし続けられるかが問われるところだろう。