天皇杯準決勝 FC東京-柏レイソル(1-2)

この試合を決定付けたポイントは、やはりクラックの有無という事になるのだろうか。
試合は7割がたFC東京が支配し、積極的なプレスと素早いパスワークで16本のシュートを放ちながらわずか1点に終わったのに対し、柏は後半から投入されたフランサが正にクラックの証明を見せる柔らかいボールタッチからのシュートを決め、最後は李とのワンツーでアシストまで決めて見せた。
しかしFC東京は「惜しい」チームである。梶山や今野、長友、平山といった代表クラスの選手を多く抱え、戦術的にもモダンで整備されているのに、不思議とブレイクしないと言うか、ここ一番で確実に勝つ、ガンバや鹿島のような強さを身に付けることが出来ていない。チームに若い選手が多くて経験が不足している点が大きいのだろうが、それにしても彼ら代表クラスの選手が、いまいち潜在的な力を発揮できていない、プレイのスケールが伸びていないのが気がかりだ。
もっとも、それは城福監督に限らず日本人の監督には不得手な部分なのだが、オシムやオリヴェイラがやっているような仕事を見てしまうと、最近の協会子飼い(笑)の監督としてはもっとも期待できる人物なだけに、もっと高いレベルへと選手の意識を引き上げる仕事を期待したいところだ。
柏はこれで勢いに乗って決勝進出。クラックだけど運動量の少ないフランサを後半勝負に取っておいた石崎采配が見事に決まり、90分で決着を付けて消耗は避けられたし、いかにもガンバより有利に見えてしまうのは当然なところだが、フランサ以外の決定力があまり期待できないだけに、押し捲った挙句にカウンター一発でやられた横浜Fマリノスと同じ轍を踏む可能性は十分にあると見る。ま、昨日も書いたことだけど決勝の最大のポイントは監督の采配だね。
明日の元日は、年始参りがあるので録画を見ても寝落ちするか、見るだけで多分終わってしまうので(笑)、元日の戦評は期待しないでおいてください。
では、皆さん良いお年を。そして来年もよろしく!