J1第33節 柏-大分(0-2)

柏は退任が決まっている石崎監督のホームラストゲーム、大分は優勝の可能性は消えたがACL枠争いが残っており、モチベーションの高さが表れて面白い試合だった。
とは言え、満員近く入った日立台のサポーターの声援を受けて試合は終始柏ペース。対する大分はゾーンを低めに置いてPAの外側に6人のブロックで固め、サイドから攻めてくる柏の攻撃をがっちりと受け止め、ボールを奪っても変に攻め急がず、ウェズレイのポストと金崎のスペースへの飛び出しを起点にして落ち着いた組み立てを見せ、柏に決定的な場面を作らせない。
それでも勢いが止まらない柏は大分の固いガードの上からパンチを浴びせ続け、後半には菅沼がゴール前で抜け出して決定的なシュートを放つがボールはわずかにポストを外れてしまい、これが柏にとっての運命の分かれ道になってしまった。
そのあたりからさすがに柏のペースが落ちて大分が盛り返し始めると、32分には鈴木慎吾がこぼれ球をミドルで決めて先制すると、35分にはCKから高松が頭でボールのコースを変え、それを上本が押し込んで勝負あり。
柏は同じ0トップ戦術を採用しているローマにとってのトッティ同様、フランサがいないとどうしてもボールが落ち着かずにひたすら攻め急ぐ展開になってしまい、そこで決めきれないと最後に失速してしまうという今年の欠点を象徴しているかのような試合になってしまった。それなりに選手のタレントは揃っているのだから、来期は一本道じゃなくて攻めに幅のあるチームを目指したいところだろう。
大分はACL枠の3位までは勝ち点2差で変わらず。得失点差から考えて川崎の敗戦を待つしかない立場だが、川崎の最終戦が大量解雇が発表されたヴェルディでは厳しいところ。しかし、昨日も千葉について書いたけどヴェルディは二重の意味で大きな鍵を握ってるよなあ・・・ここで火事場のクソ力を果たして出せるのかどうか。