J1第33節 鹿島-磐田(1-0)

かつては日本のナショナルダービーと呼ばれたカードだが、とうとう今節は優勝争いと残留争いのがけっぷち同士の対戦になってしまった。
磐田はベテラン勢がごっそりと衰え、監督ごとにチーム作りの方針がバラバラになっていたために迷走が続いていたが、オフト監督になってマンマークと運動量というシンプルな方針が固まったおかげで、5回ほど鹿島に決定的なチャンスを与えてしまったが、もともと選手の平均的な技術レベルが高く、ジウシーニョの奮闘もあって現在の順位差が示すほどの大きな力の差は感じさせなかった。
ただ、勝敗を分けた点は攻撃にかける人数の差で、磐田がせっかく早い攻撃からサイドを破ってもゴール前にいるのはせいぜい1人か2人ぐらいで、これでは何本クロスを上げても点が取れるはずが無い。対して鹿島は、攻守の切り替えが物凄く早いわけじゃないのだが、いったん相手のゴール付近までボールを運ぶと何人もの選手が攻撃参加し、セカンドボールを支配し続けて相手の陣形が崩れたところでチャンスを作るという狙いが徹底されていた。
磐田も専守防衛を貫いて何とか90分を耐え続けていたが、何とロスタイムにCKから岩政にヘディングを決められ万事休す。これで、今日勝った川崎や明日試合がある名古屋にも一応の可能性はあるが、最終戦のカードが降格が決まっている札幌戦という事を考えれば、事実上鹿島の優勝はほぼ決まりかな。
逆に磐田はヴェルディが敗れたとは言え、大宮や新潟、京都が明日に試合を残している事を考えれば、これでほぼヴェルディと千葉で残留を争う形に決まり。磐田が同勝ち点ながら得失点差でヴェルディを上回っていて、最終節のヴェルディが川崎相手なので一応有利な立場にあるが、こちらはとてもまだ確定とは言える状態ではない。
優勝争いが面白くなるのと、この試合での磐田の奮闘を考えれば引き分けになって欲しかったが、これもまたサッカーだねえ。さて、最後の最後はどんな神様のいたずらが待っているのか・・・