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J1第26節 千葉-名古屋(2-1)

千葉が素晴らしいサッカーをしたのは確かだろうが、それ以上に名古屋が自滅したという印象をぬぐえなかった試合だった。
千葉は、リバプールのコーチだったミラー氏の指導がここに来てようやく完全に浸透したのか、試合序盤からハードなプレスで名古屋の縦に入るボールに対して完璧なカバーを見せ、高い位置からのボールカットで何度もシュートチャンスを得るものの得点には結び付けられず、前半の30分を過ぎると名古屋のパス回しに対して後追いの姿勢が目立つようになり、39分に小川の素晴らしいミドルが決まって名古屋が先制してしまう。
しかしこれで終わってしまわないのが今の千葉の粘り強さで、後半になるとハードプレスのギヤを一段階アップし、前半の得点でペースダウンに持ち込ませたい様子が見えた名古屋を一気に寄りきり、2分に楢崎のファンブルを誘った谷澤のゴールに続いて深井が連続してゴールを決めて千葉が電光石火の逆転劇を見せてしまう。
名古屋は新しい選手を投入しながら攻撃的な3バックへとシフトしようとするが、これが完全に裏目に出てその後は攻撃が全く機能せずに千葉のプレスを打ち破れず、パワープレイもかえって巻弟らが3人重なってしまう場面があったりして、巻兄が走り回って前からプレスをかけ続けた千葉とは対照的なチグハグさであっけなく首位陥落の敗戦を喫してしまった。
3バックにしてからの機能不全といい、攻守において千葉のキーマンだったレイナウドを終始マークできなかった点といい、確かにボールの落ち着きどころであるマギヌンが欠場した影響が無かったとは言えないが、今まで「自分達のサッカー」を成立させる事だけを考えていただけで首位になってしまった名古屋の応用力やチームとしての勝負への執着心が改めて浮き彫りにされてしまった試合だったと言えよう。
ただ、それは暫定で首位に立った大分としても同じ事で、このプレッシャーがかかる場面でこれからどれだけ内容の良し悪しよりも現実的な勝ち点を積み重ねられるサッカーが出来るかどうかが問われてくるところだろう。
逆に千葉は、前節で逆天王山である札幌戦を制して首位の名古屋にまで勝ったことで、自信と残留に向けての希望という面では非常に大きな結果を出せた事は間違いない。この試合を見る限りでは降格するような位置にあるチームの内容とはとても思えず、これからは勝ち点30台前半のチームにとっても怖い存在になって来そうだ。

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