ACL準々決勝第1レグ 鹿島-アデレード・ユナイテッド(1-1)

想像以上に、アデレードは難しい相手だという事を実感させられる厳しい試合だった。
前半の最初はアデレードのオージーらしいハイプレスにとまどった鹿島だったが、その後はDFが高い位置を保ちつつ持ち前のバランスでアデレードのパスワークを寸断し、中に絞り気味に守るアデレードのサイドを何度も攻略して押し気味に試合を展開する。
が、アデレードはとにかくGKガレゴビッチのリーチと反応がヨーロッパのトップクラスと遜色ないほど素晴らしく、CBの2人は足技こそ無いものの高さと集中力があって、鹿島が何本クロスをゴール前に上げてもまるで点が入る気配がしない。
こうなると試合の流れは往々にして逆に傾くもので、そこまで防戦が続いたアデレードが前半38分にサイド攻撃を仕掛け、内田のカバーが遅れて相手にフリーでクロスを上げられてしまい、そのボールが鹿島DFの頭でコースが変わって新井場の後ろから入ってきたドッドに頭で合わされて失点。
ところが前半ロスタイムが無くなるギリギリの時間に内田が出した明らかなミスクロスをアデレードDFが足に当ててしまってオウンゴールとなり、鹿島は思わぬ形でラッキーな同点ゴールを得て前半を終了する。
後半になっても鹿島のペースは変わらず、ポゼッションは高いレベルを保ちつつよりシュートの意識を強めようとはした感じだったが、やはりマルキーニョスや興梠のシュートやヘディングはやっぱりことごとく決まらない。
かえってそれまで早いパスワークがことごとく鹿島の網に引っかかっていたアデレードが、まずFWにしっかりボールを当てて中央から攻める形に変えたことで、バランスはいいけど局所的な守備力に欠ける鹿島は前半とは違って度々決定的なピンチを迎えてしまうが、GK曽ケ端の落ち着いたセーブで何とか事なきを得る。
後半20分を過ぎるとアデレードが引き分けを意識して引いてしまい、鹿島も前線の運動量が落ちて試合は停滞。かえってカウンターに狙いを絞ったアデレードにフリーでゴール前まで攻められる場面を作るものの、試合はそのまま同点で終了。鹿島はアウェイでの勝利が必要な状況になってしまった。
とにかく中央が異常に固いアデレード相手には、まず多少のクロスやミドルでは歯が立ちそうに無く、この試合のオウンゴールのように相手の凡ミスを期待するか、完全にGKやDFのタイミングを外してシュートを決めるしかない。この試合で一度だけ、ファーサイドに出したボールをマルキーニョスがフリーで折り返し、これまた鹿島の誰かがフリーで詰めていたビッグチャンスがあったが、こういう場面を次でどれだけ作れるかがカギになって来るだろう。
まあ、それよりも何よりもまずは運かもね(笑)。