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北京五輪 男子1次リーググループB 日本-アメリカ(0-1)

昨日の女子とは違い、男子の日本は負けるべくして負けたと言わざるを得ない。
決定力不足が・・・などとマスコミには書かれているが、そもそもシュート数が少なすぎるし、森重の場面を除けば全てアメリカの選手に体を寄せられており、決定的といえる場面はほとんど無かった。
アメリカはアジアと日本を良く研究していた。女子のニュージーランドとは違って最初から飛ばさず、自陣にコンパクトなゾーンを引いて日本を網にかける形で試合に入っていた。
ところが日本は、荒れて重いピッチでボールが跳ねてトラップが定まらなかったり、パスがぶれたり遅くなったりしていても、相変わらず足先でのパスでつなごうという意識が先立ってしまい、ボールは持てるけれども内田のオーバーラップ以外には有効な攻撃を仕掛ける事が出来なかった。クロスに対しても高さや飛び込む人数が足らず、チャンスにリスクをかけて攻めきろうとする意識も感じられなかった。
そんな状況で試合が流れていた前半21分に、単に体に当てるだけでよかったクロスを森重が足でバウンドにあわせようとして外してしまい、その時点で日本の勝ち運も逃げていってしまった。
案の定、後半からギアチェンジをして仕掛けてきたアメリカに対応できず、クロスのこぼれ球をフリーで打たれてしまい失点。この時点でほぼ勝負はついてしまったと言えるだろう。
結局、展開力と経験不足という弱点が明らかだったのにOAを使わなかったこと、チームの完成が遅れてしまったために、相手が引いたりピッチが悪かったりという環境の変化に対する応用力が養えなかった事など、大会前に懸念されていた全ての点が露にされてしまったと言える。
まあ、そんな事はアテネやドイツで散々味わってきたので、弱いところを見ないようにしても無駄だと分かりきっていたし、OAを入れず、遠藤に代わるセットプレイ要員を補充しなかった時点で3連敗はある程度覚悟していたのでそれほどショックは無い。これで、出張先で試合はどうなったかとやきもきする必要も無くなったというものだ(苦笑)。
こちらも不幸中の幸いと言うべきか、オランダとナイジェリアはスコアレスドローで引き分けたので、2試合で勝ち点4が取れれば勝ち抜ける可能性は残されている。「自分達のサッカー」など天津では出来ないのだから、泥臭くても勝ち点をもぎ取る姿勢を見せてもらいたい。

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