北京五輪 女子1次リーググループG 日本-ニュージーランド(2-2)

多分にラッキーだった試合を「勝てた試合」として贔屓目に見てしまうのはありがちな事だが、このニュージーランド戦に関しては、掛け値無しに勝てていたはずの本当にもったいないと言うしかない試合だった。
ニュージーランドはオセアニアらしく最初からハイペースでプレスをかけまくるスタートを見せ、これをしのげば相手は必ずバテるはずなのだと内心ほくそえんだが、案の定15分を過ぎると技術に勝る日本がパスをつなぎ始め、大野がGKと1対1になるなどチャンスを作るがなかなか得点にはつながらない。
ところが37分にニュージーランドのサイドからのクロスを、なんと近賀がクリアせずにゴール前でスルー、当然背後にいたヤロップに難なく決められ、日本は非常に痛いミスでそこまでチャンスらしいチャンスが無かったニュージーランドに先制を許してしまい、さらに後半11分には不可解な判定でPKを決められ絶体絶命の状態に。
試合を圧倒的に支配していた日本は、焦りからかそこから単純なミスや強引な攻めが見られ始め、これは典型的な自滅パターンかなと思われたのだが、後半27分に帳尻合わせのような微妙な判定でPKをもらった事でようやく落ち着きを取り戻し、再び猛攻を仕掛けられるようになったが、得点は41分のFKから澤が合わせただけに留まり、42分の阪口の決定的なヘディングも枠を捉えられず、そのままドローで試合終了。
アテネの那須のミスを再現したかのような、グループリーグを突破するためにはやってはならないミスを犯してしまった日本だったが、それでも勝ち点1をゲットできたのは不幸中の幸いだった。
次のアメリカは、初戦でノルウェーに負けているだけに最初からフルパワーで飛ばしてくるだろうから、日本は次こそミスを犯さずに耐え切れれば、必ず相手のペースが落ちてチャンスを作れるようになるはずだ。チームの調子や出来は決して悪くないので、気持ちを切り替えて次に臨んでもらいたい。