キリンチャレンジカップU-23 日本-アルゼンチン(0-1)

想像していたよりは悪くなかった。が、ここまで来るのにあまりにも時間がかかり過ぎたなというのが正直な感想だった。
日本は自陣に人数が揃っていた状態では、カバーリングやマークの受け渡しがスムーズに行われ、ジーコジャパンのようにパスを回されて簡単に穴を作ってしまうような事は無く、アルゼンチンの個人技やフィジカルをしっかりと受け止める事が出来ていた。
しかし、1トップの豊田は何とか体を張ってポストになるべく頑張ってはいたものの、2列目以降の選手が守備に追われて豊田が受けたボールのフォローに行けず、そこをアルゼンチンに潰されて素早く中盤にボールを送り込まれてしまうためにラインが上げられず、たまに攻撃に人数を割いた時には自陣に空いた広大なスペースの中で1対1での対応を迫られ、そこでアプローチが遅れたり飛び込みをうまく交わされたりしてピンチを作ってしまっていた。
失点場面も、水本のマークが遅れて簡単に交わされてしまい、カバーに入った安田もディマリアの足技に翻弄されてやられたもので、豊田のポストやカウンターからの日本の抜け出しにファール覚悟で止めに来ていたアルゼンチンとは危機管理に対する意識の差が明白に表れてしまっていた。
が、そのあたりはあくまで経験不足によるディテールの部分であって、現在のベースとなっている組織が少なくとも半年前に出来上がっていたら、トゥーロンやこのアルゼンチン戦でもっと成果と錬度を上げられていただろうにと思うと残念でならない。
また選手起用の面でも、梶山は今までに比べれば頑張ってはいたがキープ力は良くてもパスの展開力やパスのスピード不足は否めず、谷口も守備は出来てもアルゼンチンクラスの前では得意のシュートに持ち込めるような場面がそもそも作り出せず、遠藤と大久保の不在と、それに対する代案を持たなかった反町監督と協会の準備不足が本当に悔やまれる。
反町ジャパンに残された時間はあとたったの1週間。盾はようやく出来上がりつつあるが、手に矛を持っていない状態でどこまで本番を戦えるのか。楽しみであり怖くもある。