ツール・ド・フランス2008第17ステージ

いや、ここで勝負が決まるかなと思っていたら、ますます混沌とした状況になるとはね・・・
ガリビエ、クロワドフェール、ラルプデュエズと超級3連発の頂上ゴールという、今大会で最も厳しいクライマックスステージ。
まずガリビエは4人の逃げを許容しつつメイン集団は淡々とペースを刻むが、クロワドフェールの登りで早速CSCが動き出し、カンチェラーラの渾身の引きでメイン集団はどんどん小さくなっていき、ニバリやクネゴまでもが遅れてしまう。
そしていよいよ最後の登り、伝統のラルプデュエズ。序盤からCSCのサストレがまずアタック、彼をマークしていたメンショフが一度は反応して追いつくが、2度目のアタックでは付いて行けず、サストレの単独での逃げがスタートする。エヴァンスはアタックが早すぎるのとシュレック兄をマークしているせいかまだ動かない。
集団ではAG2Rのグベールが引いたり、バリャベッチやコールがアタックしたりするが他の選手を大きく引き離せず、サストレとの差は徐々に開いて行く。これでCSCもシュレック兄弟を完全にサストレをアシストする役目に固めたようで、弟のアンディは集団からのアタックにすぐさまマークに付く仕事に専念、兄のフランクはアタックと見せかけてすぐにペースを落とし、集団のリズムを乱す働きしか行わない。
サストレと集団の差が2分になったところでようやくエヴァンスもしびれを切らし、メイン集団を自ら引っ張ってサストレの追撃を開始する。が、集団の落ち着かないリズムでスタミナを消費したせいか、思ったほどサストレとの差は縮まらず、結局エヴァンスはサストレから2分15秒遅れでゴール、総合ではサストレがエヴァンスに対して1分35秒の差をつけてマイヨジョーヌをゲットした。
第4ステージの29.5kmのTTは、エヴァンスに対してサストレは1分10秒遅れ、総合でエヴァンスよりそれぞれ10秒、1秒上回っているシュレック兄やコールはさらに遅かったのを考えると、20ステージの53kmのTTを残し、まだエヴァンスが有利な状況は変わらないと言えるだろう。
今日の19ステージは中級の山岳で平坦基調のゴールだが、ゴールまで30km地点に2級の峠が控えている。CSCとしては、ここでこの日余裕を残していたはずのシュレック兄弟でアタックを仕掛け、エヴァンスを逆転とまでは行かないまでも、体力を消耗させる作戦で行きたいところだろう。
しかし、今日のステージはあんまり動きが無いだろうし、U-23の試合に専念するかなと思っていたら思惑が大きく外れちゃったなあ・・・(笑)