J1第14節 名古屋-鹿島(0-4)

今節注目の上位対決は、意外な大差でアウェイの鹿島が勝利してしまった。
とは言え、名古屋の内容が決して悪かったわけではない。序盤こそ、鹿島の素早いマーキングにパスがなかなかつなげられなかったが、先制点を奪われた後は徐々に試合勘を取り戻し、マークをかいくぐる早いパス回しで何度も鹿島陣内へと攻め込んだが、同点ゴールかと思われたヨンセンの折り返しからのナイスゴールは微妙なオフサイドで取消され、2-0の状況から獲得した玉田のPKはゴール上に吹かしてしまった。
失点場面も、試合勘の欠如から来たスローインからのマークミスによる1点目と、試合終了間際にお決まりのカウンターから食らった4点目以外は、小笠原とダニーロによる見事なミドルシュートを決められたもので、攻守両面で名古屋は運とツキに見放されてしまった。
惜しむらくは、名古屋は中央へのクサビから始まる攻撃は良かったが、中村直の不在でサイドの深い位置へと散らすパスが少なくていつものワイドなサイド攻撃が出せなかった事と、雨と代表戦での疲労の影響なのか楢崎が4ゴールに対してあまり抵抗が出来なかった事。特にユーロを見た後なので、ブッフォンやカシージャスなら4点のうち3つは止めてただろうなとつい思ってしまい、代表の正GKとしては物足りない気持ちはぬぐえなかった。
鹿島はACLのグループリーグを思わせるかのような、さすがの試合巧者振りを発揮。内田・新井場のSB陣を名古屋のサイドアタックに備えて上がりを自重させ、セットプレイとミドルシュートという効率的な得点で名古屋に経験値の差を見せつけた。中断前は疲労で失速したが、マルキーニョスも復帰してこれから首位戦線をリードして行く事は間違い無さそうだ。