J1第11節 G大阪-京都(1-0)

フェルナンジーニョ、そして水本と電撃移籍を2つもやってのけ、J1中断期間の話題を一手に集めた京都と、京都に水本を取られても補強を一切やらなかったガンバが対戦する注目の試合。
しかし内容は圧倒的にガンバのもので、京都は序盤こそ激しくプレスをかける姿勢を見せはしたが、遠藤を中心としたガンバの攻撃陣がテンポ良くパスをつなぎ始めると、すぐに京都DFをPA付近まで押し込まれてしまい、あとは全ての時間帯でガンバが中盤を支配する展開になった。
京都も徳重や柳沢の飛び出しなどから2度ぐらいは決定機があったのだが、やはりスペイン戦のイタリアと同じく、中央に田原一人だけでは連続攻撃は難しく、攻撃に転じる前にガンバにDFラインを下げられて多くの人数が上がれない状況では、よほど相手のミスか運が無ければ得点に至るのは難しい。
そしてガンバはスペインのようになかなか決定機は作らせてもらえず・・・という事は無くて山のように決定機はあったのだが(笑)、バレーとルーカスのFW陣がこれをことごとく決められず、後半9分に自身の展開パスからつないだボールを前に走りこんだ遠藤が絶妙のトラップからゴールに流し込み、これを何とか守りきってガンバがやっとこさ勝利した。
しかし、代表からJに戻ってみると改めて遠藤のレベルが他より一段と抜き出てしまったのが本当に良く分かる。得点シーンの冷静さはもちろんだが、インとアウトを使い分けてワンタッチでパスを出せる自在さ、視野の広さはかつて好調だった時の小野の領域にまで達しているように思ってしまう。反町監督が中村憲じゃなくて遠藤を選ぶのも納得のプレイぶりだった。
以前は、パススピードの弱さや距離に物足りなさを感じたが、いつの間にかここまで成長していたのには今更ながら驚いた。彼を一貫して起用したオシムの眼力が凄いのか、あの性格から想像も出来ないほど(笑)遠藤の努力が凄かったのか・・・あとは、今のようにボールを晒して足でコントロールするんじゃなくて、中田のように体を使ったボールキープが出来れば欧州の中堅クラブでも十分通用するだろう。
京都は、途中出場したフェルナンジーニョがボールキープの中心となってなかなか良いプレイをしていたのが目に付いた。ガンバとは技術差があるとは言え、暑さもあってかプレスのペースがそれほど上がらずになかなか早いカウンターが仕掛けられなかった事を考えれば、DFが押し上げるタイミングを作れる彼の存在はかなりのメリットになりそうだが、柳沢・徳重・田原とどう組み合わせるのかが難しそうだが・・・