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EURO2008準々決勝 スペイン-イタリア(0-0PK4-2)

一昨日は一日中寝ていたおかげで体調も徐々に戻ってきたので、昨日はようやくスペイン対イタリアの録画を観戦。
ピルロが欠場したイタリアが腹をくくって完全に守備を固めて臨んできたために、FWトニを残して全員が素早く自陣に戻ってきっちりと守備ブロックを構築するイタリアに対して、スペインがどうやって崩して行くのかという構図が続く展開となった。
案の定、プレスをかけてこないイタリアに対してスペインは途中までパスは回せるものの、ビジャやトーレスは完全に押さえ込まれ、攻撃ではシウヴァが一人気を吐いてドリブルや鋭いシュートを見せはするのだが、PAの付近では必ずイタリアDFの足が2本3本と伸びてくるのでミドルシュートに頼るしかなく、そうなるとブッフォン相手ではよほど幸運なコースにシュートが飛ばないと決まるはずも無く、スペインが押していた割には決定的な場面はほとんど作れなかった。
しかしイタリアも、ピルロがいないせいでまともなビルドアップや大きな展開が出来ず、中盤でのパス回しもスペインのセナに要所を押さえ込まれ、結局ロングボールやアーリークロスをトニに当てる攻撃しか無く、何とかファールをもらってセットプレイはゲットするのだが、マルチェナとプジョルの両CBは最後まで集中力を切らさずにトニに食らいつき、後半16分に訪れたこの試合唯一の超決定機もカシージャスが左足一本でカモラネージのシュートを弾き、イタリア得意の蜂の一刺しを許さなかった。
試合の決着は、ご存知のように120分間無得点で終わった後のPK戦でスペインが勝利を収めたのだが、主力のCBをことごとく欠いていたにも関わらず、ブッフォンとキエッリーニを軸として守備の完成度を高めてきたイタリアと、マケレレに展開力をプラスしたようなセナの活躍と、トニを最後まで自由にさせなかったCB陣、そしてイタリアのシュートを全て弾き飛ばしたカシージャスを中心としたスペインの守りは実に見ごたえがあったと言える。
このユーロでのイタリアは戦力的に見てまずまず健闘したように思うが、中盤のクリエイティビティはピルロ頼み、そして前線はスピード不足と、ポゼッションを高める事でトータルの走る距離を縮め、コンパクトなDFラインの裏を取って攻撃のクサビを作る現代サッカーのスタイルに、今のままでは合わない人選なのは明らか。W杯2連覇を狙うのであれば、若手を抜擢して新たなチームを作り上げる覚悟が必要だろう。
スペインは勝ちはしたものの攻撃陣については不満の残る出来で、特に後半はほとんどビジャやトーレスが消えてしまっていたのは残念だった。準決勝以降にビハインドを追う展開は十分にあり得る事で、ここまで逆転を決めたのは勝敗がかかっていないギリシャ戦のみだったスペインが、ヒディンクパワー炸裂のロシアに対して果たしてこの経験を生かせるかどうか。

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