トゥーロン国際ユーストーナメント2008 準決勝 イタリア-日本(0-0PK4-5)

昨晩に行われた3決のコートジボワール戦は、日本がリードしていながらロスタイムに追いつかれ、またもPK戦で敗れて日本は4位に終わったようですな。ま、シドニーを思わせるような日本らしい結末だけど、くれぐれも本番で繰り返さないように。
というところで空気を読まずにイタリア戦のレビュー(笑)。
イタリアの日程が中1日だった事は考慮しないといけないが、既にあちこちで書かれているとおり、反町ジャパンになってからはベストとも言える試合内容だった。
前半の森本がGKと1対1になった場面が決まってればとは思うが、あれは変にコネたと言うよりも、味方が森本のすぐ前にいたので、本能で味方をDFと認識してしまって交わしにかかった感じだったね(笑)。とにかくいろんな意味で、フル代表を見渡してみても日本にいないタイプという意味では貴重な存在だ。
確かに、前半25分まではまたもジョビンゴというワールドクラスのタレントとマッチアップさせられた(笑)中村北斗が苦しめられ、日本の運動量が落ちた後半残り15分は、アバーテのスピードに左SBに入った森重が翻弄させられて、何度か決定的なピンチを招きはしたが、それ以外の時間帯では日本が豊富な運動量で多くの選手が攻守に絡み、日本の強みである中盤でのパスワークでイタリアゴールに迫る場面を何度も作っていた。
そのポイントは、やはり本田圭と谷口、梶山を2列目に並べた、5ボランチとも言える選手起用にあった事は間違い無い。中盤の5人が常に守備意識を高く持ってDF陣をフォローしつつコンパクトな守備陣形を保ち、ボールを奪ったら流動的にポジションを変えて縦に動きつつシンプルにボールをつないで行く。特に、ボランチの位置ではいまいち存在感の薄いプレイしか出来ていなかった梶山は、プレッシャーの緩いサイドでプレイする事で、松井チックな持ち前の変態ドリブル&パスが活き、思わぬ形でチームへの適性が発見されたと言える。
この試合を見ていて、奇しくも同じイタリアが相手だった2001年のトルシエジャパンで、フォーメーションこそ3-5-2だったが、パルマでボランチとして開眼しつつあった中田が積極的に守備にからみ、同じくフェイエでボランチとしてプレイしていた小野や稲本と、攻守の切り替えが早いスムーズなサッカーでサンドニ以降のベストと呼べる試合をやっていた事を思い出させた。
まあ、2002年の本大会では、結局ベルギー戦の後に裏を取られるリスクを恐れたDF陣が下がってしまい、中田はトップ下で孤立しチーム戦術から浮き上がったプレイを連発し、イタリア戦の内容はどこかに忘れ去られた結果となってしまったが・・・
ただ健闘とは言え、まだまだ課題は多い。特に、DFのパス回しとビルドアップは、イタリアに比べるとパススピード、ポジショニング、前でのフリーランとの連係は雲泥の差があった。あと、日本選手が海外に行くとまず最初に修正させられると言われる(笑)ヘディングクリアの下手さはどうにかしないと。
イタリア戦でも後半にはまずまずDFのパス回しは出来ていたし、今の岡田体制ではすっかりダメになってしまったが、オシムジャパンでもビルドアップは結構スムーズに出来ていたので、彼らが決して出来ないわけじゃないと思っている。これから本番までに、いかに練習で相手からのプレッシャーを想像した意識の高い練習が、反町監督に出来るかどうかだろう。